俺たちは人間の姿をした動物じゃないんだ!
未知のウィルスの大流行により、世界が崩壊して5年。残されたのは子どもたちのみ。秩序は失われ、思うがままに生きる大小のコミュニティの中でも、国家じみた体制を取る西東京共和国は活気に満ちているが歪んでいた。自らを目であり耳であると任ずる園山慎吾は、この地でひとびとの生活を知り、そして矢上という少女と出会った。
なんか、世界崩壊もののお話が結構読んでいるような気が。現代社会から、唐突に大人たちが消えてしまったら世界がどうなるかという if のお話。鷹見一幸らしい文章というか、相変わらず登場人物が雄弁にあらゆることを語ってくれています。どうにもこの書き方は慣れない。
所々『北斗の拳』ぽい雰囲気を感じるんですよね。今時の雰囲気ではない、古き良き時代の雰囲気。なのに、リアルさを出そうとして、あれやこれやを丁寧に説明してしまう──地の文でなく会話で──せいで、知識の展覧会みたいな感じになってますね。嘘くさくてもそれっぽい話の方が良いんだけどなあ。
この作品も、文明は退廃していく一方で、けれど、そこには残されている希望もあって、それをどうやって未来に繋げていくかが気になるところですが、次巻は様子見するかも。
しかし、ここまでスパムについて熱く語られた作品、他には知らないです。なんて、便利な食糧なんだ、スパム。幼女まで買えちゃうよ!
hReview by ゆーいち , 2008/03/27
- リセット・ワールド―僕たちだけの戦争 (電撃文庫 た 12-18)
- 鷹見 一幸
- メディアワークス 2008-03-10
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