家族の絆を信じて、がんばりなさいな……狂乱家族?
『来るべき災厄』強欲王の来襲により、月香は力を使い果たし赤ん坊の姿になってしまった。姿形は赤ん坊なのに、人外の力をもった月香は、何かにつけて泣き出すと電撃のおまけ付き。凶華も凰華も、家族の誰もが子育てという初めての経験にてんやわんや。そんな中、ずっと妹が欲しかったという優歌は、月香に対して複雑な気持ちを抱いていって……。
新シリーズにして、ようやくスタート地点とも思える「閻禍伝説編」の開幕。今回は、その導入とも言えるようなエピソードで、これまでの大騒ぎとは一転して、比較的落ち着いた展開でした。
現在の、狂乱家族と交互に語られる、千年前の物語。これまで名前が出てきていたけれど、どんな人物だったかもよく分からない泪雨夜だったり朝夜だったり、そして、閻禍の名を持つ人物も登場して、これまで伏せられていた歴史の真実の一端が語られていきます。
これだけを見ると、どうして現代において大騒ぎするのかが謎なんですが、泪雨夜に残された強い恨みの感情だったりは、まだ語られていないエピソードに、またしても過酷な何かが残されているのを予感させますね。
そして、忌避してきた姫宮っぽい行動を取ってしまった優歌の真相とかも、ようやく明かされたり。これまで彼女らしくない言動があったけれど、それが彼女の地なのか、あるいはこの要因によるものなのか微妙なところですが、基本、良い子で、家族の良心なのだから、それこそみんな信じてあげて欲しいですね。ぎくしゃくしてしまった月香との仲直りも、落ち着くところに落ち着いて一件落着。
と思ったら、狂乱家族の与り知らぬところで、世界は大きく動いていきそうな引き。これからどうなってしまうのか?
hReview by ゆーいち , 2008/04/12
- 狂乱家族日記 九さつめ (ファミ通文庫 (あ8-1-9))
- 日日日 x6suke
- エンターブレイン 2008-03-29
コメント