これで、悲しみの連鎖は断ち切られる――そして、新しい世界が始まる。
世界を異能で満たそうと企む“女神”を追う透真たちは、その支配下にある鬼による破壊活動の情報を得、その場へ急行する。そこで透真たちを待ち受けていたのは、全身に鋭い爪を纏った「爪鬼」と、巨大なタイヤを持つバイクの化け物のような「輪鬼」だった。そして、鬼を狩る鬼である「炎鬼」蒼蓮も現れそれぞれの思惑は混迷の度を増していく。
話がいよいよ混乱してきましたよ?
どうも、この作品、敵味方の関係が割とあっさり変化したり、重大な決心をさらりと済ませたりで置いてけぼり感がありますね。特にカタナと、彼女が追っていた「神の手」の間にあった感情って「そんなんだったっけ?」と冒頭を読んで首をかしげてしまうような流れで……うーん、前回の話を忘れてるだけだったのかな。
そして、今回もどこにも与せず、その身に科せられた事情があったとはいえ、単身で戦い続けてきた蒼蓮を籠絡する件も、簡単だなオイ、とツッコミを入れたくなったり。というか、透真の行動がどんどん悪役っぽくなってきてるんですが。もともと正義の味方的な立場じゃない気もしますが、大見得はたいて壮語した自分の言葉を、流れのままにさらりとスルーしたり、それでいいのか、主人公?
お話的には、ようやく次巻あたりで、目的となる場所が判明しそう? それと同時進行している神の手の目的に関わる、カタナ自身の問題も残っているので、それをどうやって解決してくれるのか。カタナはヒロインポジションにいるはずなのに、影が薄くて不憫です。カラー口絵でもなんか隅に追いやられていたり。これでは冥が正ヒロインのポジションにいるようではないですか。あれ、そうだったっけ?
とにもかくにも、結構な引きで続いてるので先は気になりますが、やっぱりこの作品、それぞれの勢力の立ち位置がよく分からないというかころころ考え方が変わってるような印象と、やたらと力押しなバトルのせいで盛り上がりらしい盛り上がりがなかなかないんですよね。あと、コードギアスの対マオ戦そのままみたいな知略戦は正直どうかと思ったり。
hReview by ゆーいち , 2008/12/17
- 繰り世界のエトランジェ 第四幕 青のラメント (角川スニーカー文庫)
- 赤月 黎
- 角川グループパブリッシング 2008-11-29
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[現代異能バトル][ラノベ]繰り世界のエトランジェ 第4幕 青のラメント
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