人類は衰退しました〈4〉

stars みんなみんな、いきているです、むしけらなんです。

食糧事情が悪化の一途を辿るクスノキの里。肉が食べたいとぼやくおじいさんのお使いをきっかけに、事件が始まります。里に出回り始める怪しげな「妖精社」製の品々、走り回るチキン(調理加工済みっぽい外見)を発見したわたしとおじいさんと助手さんは、問題の「妖精社」の査察に向かったのですが……。

妖精さんの、ひみつこうじょう

[tegaki]黒い、黒いよ!![/tegaki]

ほのぼのとした世界のはずなのに、生きるための残酷さを伝えてくれます、何このお話。

妖精さんが戯れに起こすふしぎとは違った感じがするなあと思ったら、「妖精社」の背後にはあの人物が……。誰? すっかり忘れていましたよ。

しかし、このお話のラストはある意味恐いですねえ。絵面を想像すると、とてもアレがシーンになってしまうのですが、当事者幸せだから、いいの?

そして、何気に前巻でひどいことになったわたしの髪の毛も大復活。神の見えざる手によるリカバリー効果、すばらしい!

妖精さんの、ひょうりゅうせいかつ

これはポピュラスかシムシティか? 無人島に漂流してしまったわたいと妖精さんたちが一致団結して栄華を極めるまでのお話。

もちろん、やり過ぎてしまったしっぺ返しもお約束で、妖精さんを鬱状態にしてしまうと、その後が大変という事実が改めて浮き彫りになってますね(笑)

素晴らしい女王様生活と、妖精さんによる怪しげな品種改良作物の数々。妖精さん手ずからによるふしぎ成果物に感心するやら呆れるやら、そして、その状況に順応し、妖精さんを手なずけるわたしは、もはや世界のトップ養成ブリーダーですね!

そんな2話を収録した第4巻。前巻に比べると驚きな部分は少ないんですが、その分、えもいわれぬ黒い要素がじんわりと浮き出ているような。う~ん、見た目はまるっきりほのぼのとしてるのになあ。

hReview by ゆーいち , 2008/12/20

人類は衰退しました〈4〉

人類は衰退しました 4 (ガガガ文庫)
山﨑 透
小学館 2008-12-19