創立!? 三ツ星生徒会〈1〉 そのとき恋3がはじまった

2013年4月18日

stars るっせー、バカ! てめえはムカつくんだよぉ! 『敬語さえ使っときゃ敬ったことになるだろ、やっふー!』とかそーいう態度が見え見えなんだよぉ! ギッタギタにしてやんよーっ!

謎の黒いモノにまとわりつかれ池で溺死寸前となってしまった向坂恵を助けたのは、金魚姿の土地神・水穂様だった。助けた見返りとして、恵に協力を命じる水穂様。失われつつある土地神の力を回復するためには、学校に生徒を集め、平和に過ごさせなければならないらしい。うっかりテキトーなことを提案してしまった恵。そして、一年後、恵の学校は周囲の学校と合併し三ツ星学園となっていた。統合間もなく、かつての各校の文化的な違いで軋轢の生まれる学園内、彼らをまとめる立場に(なぜか)ある暫定生徒会長・恵に降りかかる災難はまだまだ続く。

神様のくせに妙に現代かぶれで傍若無人な水穂様。そんな彼女(?)に協力させられることになった不幸体質な恵の周囲で巻き起こるドタバタ劇。力を失ってしまった水穂様を助けるには、学校に人を集め、かつ平和でなければならないという、生徒会長の恵にしてみたら胃の痛くなる使命。

で、短絡的なのか今どきなのか、男女がくっついちゃって仲良くしてれば万事OK! みたいなノリで、あれよあれよという間に恋の橋渡しの片棒まで担がされちゃって……。

学校同市の統合で生まれた三ツ星学園。各校の生徒会メンバーが暫定生徒会として活動しつつ、お互いにいがみ合って上手く回らない現状。まずはそこから手を付けようと、水穂様に取り憑かれた恵が立ち回る辺りから面白くなってきますね。それぞれが持つわだかまりを、水穂様が気持ち良いくらいにすぱっと切り捨てて見せたり、そうして上手く回り始めた学園のみんなの楽しさは、こちらにまで伝わってくるようで。

けれど、母体になっているはずの、恵たち旧ホシ一の生徒たちは影が薄いなあ。主人公なはずの恵からして、水穂様の依り代的な道具扱いされているような……。気になる四月さんにしても、気持ちは別方向向かってるし、さらには、恵自身ではない、水穂様が憑いてる状態の向坂水穂なんて存在に、暫定生徒会トップの男女両方からアプローチを受けたりと、彼を無視して事態が混沌としていってますねえ。男女両方から言い寄られるという希有な体験を望んでもいないのにさせられることになった恵の未来は暗いぞ、ガンバレ。というか、この状態で、自分の恋を進展させようなんて、彼には難しいだろうなあ。そんな恵の気持ちが、これからの物語で爆弾になりそう、そんな予感がします。

hReview by ゆーいち , 2009/01/10