泣かないでよシロちゃん。俺も泣きやむから。がんばるから。
帝都世紀末学園の次期生徒会長の選挙が迫る。現生徒会長である魔女・シロオは、次期も学園の頂点に君臨するべく再選を目指す。シロオが提案した選挙の方法は戦って戦って戦い抜いて最後に立っていた者が会長となるバトルロイヤル! 『汚染区域』D校舎で開催される選挙に、うっかり紛れ込んでしまった恋塚ミミクロは、そこで『悪魔の双子』と呼ばれるふたりと出会って……。
[tegaki]魔女、デレる![/tegaki]
物語の大きな転換期となりそうな第4巻。シロオにかけられた魔法が解け、ようやく彼女が望んでいた願いが叶うお話。暴力の嵐に巻き込まれつつも、自分の役目をしっかりと果たしたミミクロは、今回のお話では傍観者ではなく、まさに主役でしたね。
超人オリンピックと称しても違和感のない、この生徒会長選は割と駆け足。ってか、16人のタッグトーナメントやったりしたら7試合描かなきゃならないわけだから、このすっ飛ばし方はアリっちゃあアリですね。耳寺ジュリエットと愉快な仲間たちの見せ場が久々にありましたが、やっぱり巻が進むと、キャラの性格変わってるような気がするんだよなあ。あと、なんだかやたらとパロディネタが多かったような。わかりやすすぎるだろう、『パンツじゃないから(略)」とか。
そして、後半では舞台となったD校舎と、そこに隠された事実とかは相変わらず毒が強いなあ。容赦ないようだけれどあんまり悲壮感がなかったかも。『悪魔の双子』の生き様とか、その前に積み上げられていた命の重みとか、それを語る前にラスボスボコってしまったからなあ。
で、シロオとミミクロの初々しいやりとりにニヤニヤしつつ、けれど、ふたりの前にはまだ真なる敵が立ちはだかりそう。シロオの家族の歪んだ思いが、これからどんな形でふたりの障害となってくるのやら。エピローグは衝撃的だったし、これでようやく、シロオが犯したと記録されている罪の真相が見えたような気がしますね。
hReview by ゆーいち , 2009/01/22
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