どっちが強いかなんて問題じゃない。ぼくが今ここで行使するのは、神が使ったのと同じ――契約の力だ。
罪を負い連れ去られたガブリエルを助けるために、祐太たちは天界を目指す。そんな祐太たちの行く手を阻むのは、煩悩まみれの悪魔だったり天使だったり。そして、暗躍する第三使徒の目的とは? 果たして祐太はガブリエルを救い、家族の絆を取り戻すことができるのか……?
杉井光の手による聖書を題材にした斜め上過ぎる新解釈によるお話も一段落。話のスケールは天界も地獄も巻き込んで、ひたすらでかくなるばかりだったくせに、終わってみるとセクハラな部分しか残ってないというのはある意味スゴいのかもしれません(笑)
徹頭徹尾シリアス分が希釈され尽くしていて、まじめなシーンがそれこそ1ページも持たないような頭のユルいストーリーは、ホント気楽に読めてしまいますねえ。
そして、話のオチの付け方も、非常にこの作品らしいというかなんというか。ひたすらツッコミ役で苦労していた祐太自身の活躍も大したものなのに、進退窮まった状況でふとひらめいた一発逆転の秘策が何ともはやいろいろな意味で終わっているのが……。
ともあれ、ラブ方面の決着としては、エリとレマのどちらの想いも受け止めてみせて、杉井作品の主人公としては潔いというか上手くやりやがったな的な感じで満足満足。本巻はレマの見せ場も多くてニヤニヤしつつ、このラストは好きですねえ。
個人的希望としては、再びひとつに戻った家族たちのタダレた性活な続編を見てみたくもあり、もうそうなったら美少女文庫行きだったりしますなあとか思いつつ、このハーレムな毎日の不滅さに万歳してみたりもするのです。
hReview by ゆーいち , 2009/03/13
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