ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド

stars 現実だ。この世界の全ては現実。仮想の偽物などひとつもない。

新世代のオンラインゲーム・VRMMOとして熱狂を持って迎えられたゲーム・ソードアート・オンライン。それは仮想空間を現実のごとく体験できるこのゲームには大きな罠が仕掛けられていた。一度ログインしたら脱出不可能なゲーム世界、そこでの死は現実での死と等しい、まさに命を賭けたゲームだった。ゲーム開始から2年の時間が経ち、多数の脱落者を出しながらも、プレーヤーたちは着実に舞台となる巨大な浮遊城・アインクラッドの最上層100層を目指し攻略を進めていた。

Web 公開版は未読。高い評判を得ていた作品の商業出版ということでまさに待望、という風情だったようですね。確かに面白いし、知っていたら読みあさっていただろうなあという、噂に違わぬ良作でしたね。

オンラインゲームを舞台に、仮想空間をもう一つの現実として生活し、ゲームらしい虚の部分をユーザに提示しながらも、そこでのゲームオーバーはイコール死という、コンティニューできない鬼のようなシステムのゲーム。

主人公のキリトはベータテスト時代からの経験を生かし、同じスタートを切りながらも一歩も二歩も先を行く上級プレーヤー。あくまでソロプレーにこだわり、ゲームの攻略の不利を押しながらもそのスタイルを貫くにはワケがあって。

そんなキリトの視点から、ゲーム中の様々なキャラクターとの関わりを描いて、そこで出会ったヒロインのアスナとの恋物語もゲームの攻略という大目的と平行して進んでいきますが、彼女との関係は協力を始めた段階からすごい速度で進行したような。アスナの側が好き好き光線出しまくってる時点でフラグ乱立状態ですが、逆にキリトは割と冷めた態度を取っていたのに一線超えてからは一気にラブラブでしたねえ。てか、倫理規定解除するコマンドとか、このゲーム一体どんな対象に向けて提供されているんだYO!

……それはともかく。一瞬たりとも油断のできない生と死を紙一重で別ける緊張感のあるモンスターとの戦闘やら、ゲームを舞台にしているらしい様々な剣技を駆使したプレーヤー同士のバトルやら、攻略だけでなくその世界の中での生き方を様々にみせる他のプレーヤーたちの姿など、現実とは切り離されていても、確かにここで生きている人々がしっかりと描かれていましたね。

ラスボスの正体というか、終盤の展開は冒頭に想像していたそれと同じような展開だったので、意外性というより、そのシチュエーションの中でキリトやアスナが採る行動そのものに魅せられた感じ。なんともヒロイックな行動だなあと思いつつも、そこまでの盛り上げ方が良かったですね。しっかりと救いのある結末にしてくれましたし。

そうして、ようやく待ち望んでいた現実への帰還を果たしたプレーヤーたちは、果たしてこれからどうするのか。あの世界での体験は得難いものであっただろうし、新たな冒険を求める声とかも多々上がりそう。再会を約束したキリトとアスナのこれからがどうなるのかとか、いろいろと先が気になるラストでしたが、次は同じゲームを舞台に別のキャラクターたちの冒険が描かれたりするんですかね?

hReview by ゆーいち , 2009/04/26

ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド

ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫)
川原 礫
アスキーメディアワークス 2009-04-10
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