バカとテストと召喚獣〈6〉

2013年4月18日

stars 明久君は、気を遣って、遠慮して……目では私を見ているのに、実際は私じゃない誰かを見ていませんか……?

召喚システムの不具合(?)により、召喚獣が古今東西の物の怪の姿に変わってしまった。せっかくの夏休み、Fクラスの面々は当然のごとく補習に明け暮れるけれど、このトラブルを利用して雄二が補習回避の道を作り出す。デモンストレーションを兼ねた召喚獣を使った肝試し大会。因縁の対決含みの負けられない勝負が始まる。

[tegaki]今度は姫路さんのターン![/tegaki]

美波の攻勢にやや影が薄くなりつつあった姫路さんが、これぞ正統派ヒロイン的な決意と活躍を見せてくれたお話。姫路さん、かわいいよ、姫路さん。あと召喚獣えろいよ。

……しかし、今回はいろいろな意味で挿絵が凶悪だったッ!! かわいいものは良いんですよ、秀吉とか秀吉とか秀吉とか。格好いいのも良いんですよ、明久とか明久とか明久とか。しかしッ! アレはッ!! どういう了見だあああああッ!!! というのは読んだ人なら皆頷いてくれること間違いなし。良くもまあ編集もこれで GO を出したモノです。忘れたい記憶がまた一ページ。

ともあれ、補習地獄から抜け出すため、学園長への直訴から抜け道的に別の課題へと内容を変更させたFクラス。明久たちにとっては因縁深い常夏コンビも再登場し、一転、漂い始めるシリアスな空気、と思いきやその企画自体がいろいろ問題があったようななかったような。各キャラの見せ場を作りつつギャグメインで進んでいって、そんな雰囲気はあんまりなかったですね。まぁ、ブラクラ的なインパクトは……。

そして、5章からバカテスト第6問を経ての盛り上がりは、久々に熱くさせられますね。何気にバカテストの中に明久のバカだけど真っ直ぐさを描いていて、その内容と本編での展開が良い感じにリンクして盛り上げてくれます。敵役で相変わらずFクラスを苦しめてくれる常夏コンビは悪役も良いところで、あんまり作品の空気に馴染んでないような気もしますが、この展開だと良い意味で踏み台になってくれてますねえ。

姫路さんの真剣な想いに同等の想いで報いた明久。姫路さんにとっては、なかなか踏み出せなかった一歩を踏み出させるだけの威力が、明久の行動には込められていたんでしょうね。こういうときにしっかりと格好良く活躍できるんだから、バカでもしっかり主人公してるよなあ、明久。

そんな感じで、明久を巡る恋の勢力図はまたしても均衡状態に戻ってきた? 気持ちの向きようからすると姫路さん←→明久な感じだけど、そこに絡んでくる美波もこのままじゃ終わらないはず。次巻以降、良い雰囲気になったふたりを見てヤキモキしたり暴走したりする様でによによさせてもらいたいものです。

hReview by ゆーいち , 2009/05/09

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バカとテストと召喚獣 6 (ファミ通文庫)
井上 堅二
エンターブレイン 2009-04-30
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