ここからがホントの“すたーと”なんだぞ、マサト! マサトはこれから。わたしがもっともっと幸せにするんだ!
福の神・キチと一緒に暮らし始めてから少しずつ幸福になってきている雅人は忘れていた。自分が日本一不運な男だということを。テント暮らしから脱却しささやかながらも家を手に入れても、憧れの二之宮さんの手料理を食べられても、その日は確実にやってくるのだということを。雅人の身に迫るかつてない凶運、果たして雅人とキチはこの不幸を吹き飛ばすことができるのか……?
プロローグがやたらとシリアスでどうなることかと思ったら、いつものお話でした。
日本最強霊能力者の一角である雅人を襲う不運。そういえばそんな設定ありましたよねー、と忘れていた頃にしっかりと掘り起こしてくれました。
というか、今回の事件て、雅人自身の脇が甘かっただけのような気も……。まぁ、あの兄の目が黒いうちは、二之宮さんとの甘い時間など許されるはずもないのですが。にしても、二之宮兄はすでに人間の限界を突破してしまったかのような化け物っぷりを見せつけてくれますな。これはある意味ギャグシーンだから通用するような補正だろうけれど、まさに今回は最強の敵! とでもいわんばかりの暴れ方。そして、その兄を下したという二之宮さん、恐るべし……。
一方のキチは相変わらずの無防備さでサービスシーン要因な感じの一冊でしたが、彼女の好意が恋ごころに変わりつつある雰囲気ににやにや。そろそろ羞恥を覚えて、今までの行状に対して赤面しまくりだったりな展開とかも見てみたいなあ。ライバル的な立ち位置にいるトトは、雅人のモノローグからするとまだまだその本心が見えない感じ。潜在的な実力で雅人をも凌駕しうるスペック持ちの彼女の、その力をしつこいくらいに語ってるあたり、今後の展開への伏線なんでしょうかね。
物語的にはキチの言葉ではないですが、これからが新たな始まりといった繋ぎの巻。せっかく手に入れた家を失い、不幸に沈むかと思いきや、美少女ふたりからの嬉しい申し出に雅人が取った選択が気になりますね。どちらに転んでもさらなるドタバタが容易に想像できるだけに、これから訪れる夏の物語が楽しみです。
hReview by ゆーいち , 2009/06/20
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