ようするに――最後の人生相談は、いまもまだ続いている。これからもずっと、続いていくのだ。
「人生相談、次で最後だから――」桐乃のその言葉の真意を問う気にもならず、ただ時間だけが過ぎていく。桐乃を通じて知り合った賑やかな面々に振り回されたり、幼なじみとのまったりとした時間を過ごしたり、騒々しい毎日を送って、妹の言葉も忘れかけていたのだが……。
ここでまさかのルート分岐!
いや、もう、2ルート書いちゃえばよくね? ってか、幼なじみルートが最初から除外されていることに絶望した!? 普通に考えて、京介にある選択肢って、麻奈美以外にいないのでは。なんやかんや妹経由で広がったオタク友だちの交流の輪は、結局彼にとってはオタクの話題を共有できる仲間でしかなくて、はなからそこに、異性とはいえ、恋愛対象としての感情はどこにも滲ませていないと思うんだけれどなあ。
これは、あれですか、桐乃は京介の攻略に失敗した的な流れですか? その後に投入されたのが、桐乃以上に人気の出そうな黒猫ってあたりが、あからさまに「こっちを選ぶでしょ、JK」的なにおいをアンケートはがきからも感じるのですが、それはそれで良しとしよう。読者サイドから物語へのアプローチというのもアリだとは思うけど、結局両方読みたいと思った時点で、どれも選べないようながんじがらめ状態だし。複数買って、複数はがき出すほどの情熱もないし。最近の Twitter やらを使った実験的な展開など、プロモーションも含めての『俺妹』という作品、これからどういう動きを見せるのかを傍観していこうかなと。
ともあれ、4巻に渡って続いてきた、兄と妹のちょっと変な物語もひとまず完結? シリーズはまだまだ続くようですが、京介が兄の立場、領分から踏み出すことをせず、徹頭徹尾、桐乃を妹として扱ってきたという一点でも、彼は彼女にとっての良い兄止まりだったのかなあ。桐乃が意を決して打ち明けようとしたさらなる自分の秘密を京介がさりげなく遠慮した時点で、ふたりの距離のそれ以上の縮まりは閉ざされてしまったのかなあ。兄として、妹を理解しようとして努めてきた京介だけれど、それ以外の部分については、分からないことだらけで、逃げられてしまった感じ。果たしてその秘密が、明かされ、また違ったルートへと物語が路線変更することはありやなしや?
3巻の終盤あたりから、京介と黒猫の接点が増えて、ひるがえってみればあの時点で、こういう展開も含めた伏線張りをしていたのかなとも思えてきますね。このままある意味既定路線的に黒猫ルートに突入したら、タイトルに偽りありになってしまいますが、アンケートの結果如何によってシリーズタイトルが『俺の黒猫がこんなに可愛いわけがない』なんて変わってしまったりするのでしょうか。
相変わらずのアグレッシブなネタと、絶妙な時事ネタと、そっち方面のネタは楽しませてもらいましたね。今後の展開にやや不安は残るものの、続刊を楽しみに待ちたいですねえ。
hReview by ゆーいち , 2009/08/14
- 俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈4〉 (電撃文庫)
- 伏見つかさ
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コメント
コメント一覧 (2件)
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない4』の感想レビュー(ライトノベル)…
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黒猫は義妹でよし!!