とりあえず、この儀式は終わったわけですが、リョウ君……続き、しますか?
学期末テストが終わり、六花の補修も無事に乗り切り、ようやくみんなで始まった良太郎たちの夏合宿イン孤島。そこで巻き起こるトラブルは孤島につきものの殺人事件(?)に夏の風物詩のお祭りと怪談。良太郎と仲良くなろうと密かに目論む、ライバル同士な女の子たちの恋のさや当ても激化! 暑い夏は、まだまだ始まったばかりです!?
[tegaki font=”crbouquet.ttf”]エロ神じゃあ、エロ神がおるぞ……ッ![/tegaki]
キャラクターの増加に歯止めがかかったのか、前巻に引き続き夏の小旅行、後編的なお話。だんだん各キャラの立ち位置が決まったきたような気もしますが、そろそろ空気と化しそうな娘もいたりして不安を覚えたりしますが。
良太郎自身も、だんだんと周囲の女の子からのアタックをうまくいなせなくなってきてるような感じですね。美味しいシチュエーションをこれでもかとお膳立てされ、もはや彼の理性は風前の灯火といった風情。いや、それでも最後の最後で一線を越えないあたりは鋼の精神力というか、あるいは、単なるヘタれというか……。うむむ、これはお話の都合とはいえ、後者な気がしてなりません。なんだかんだで、自分の目的を最優先にして、女の子たちの心の奥底にある想いにまで触れることができてないというあたりが、良太郎のまだまだ精進不足なところなのかもしれませんね。これからもまだまだキャラが増えていったら遠くなく破綻しそうな雰囲気ですけどねえ。
お話的には流れがだいたい確定してきて、並み居るライバルたちの中で、積極的になりきれない義妹という微妙な立ち位置の六花が、どうやって良太郎と思いを通じ合わせようかといったところが焦点なのですが、前巻のラストと、今巻のラストを見ちゃうと、もうお前ら相思相愛じゃねーかYO! とこのほほえましいすれ違いっぷりに頬を緩めてしまったり。
それでも決定的に一歩を踏み込むことができないのは、やっぱり良太郎が壁を作ってひとりに対して深く踏み込むことを自信で禁じているからなんですよね。その壁をどうやって打ち崩すのか、それは良太郎がすることじゃなく、パワフルに彼に思いを寄せる彼女たちが、やらなければいけないことなんでしょうね。
すでにモテ王が女の子を攻略するお話じゃなくて、鈍感な王子さまを誰が振り向かせるかって流れになってきてますね。モテ携帯の神さまこと、サクヤの存在価値がどんどんと低下していっていることに一抹の不安を覚えたりするのです。
hReview by ゆーいち , 2009/11/07
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