気になるあの娘はエロゲンガ―!

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stars よっしゃ、決まりだわ! 一哉くんはきょうからうちの部のシナリオライターよっ! あなたは、ここで、あたしたちと一緒に、同人美少女ゲームを作るの。OK?

なまけ者ラノベ作家の兄の代わりに、内緒でゴーストライターをしている少年・一哉。
ある日彼は、クラスの憧れの少女・小春にぶつかったのをきっかけに、同人美少女ゲームのシナリオを書かされることになってしまう。
しかも、何と小春はエッチな原画を描くエロゲンガーだった!
――ドキドキあり修羅場モードありの同人活動ラブコメ、ここに開幕!

[tegaki font=”mincho.ttf” size=”24″ color=”SeaGreen”]なれる!? エロゲシナリオライター![/tegaki]

なんだか近年こういう業界内情暴露的な作品が結構出てきているような気がしますが、主人公があれよあれよという間に、同人サークルに加入させられ、シナリオライターとして八面六臂の大活躍をするサクセスストーリー! とかいうと信じられたときが怖いので、修羅場の果てに心のオアシスを見つけるストーリー、くらいに修正しておきたいところです。

いや、でも、この作品で主人公・一哉が所属することになるサークルはすこぶる恵まれているよなあ。もう、ご都合過ぎると思わされるくらいに。一線級の原画家にプログラマーに音屋がそろって、そこに加わる主人公は、畑違いとはいえどゴーストライターとしてラノベを執筆しているとか。欠けたピースがかちりとハマれば売れないわけはないというそんなノリではありますが、確かに、主犯格である顧問の桜井先生が、彼を逃すものかと策にハメまくって逃げ場をなくしてでも確保した気持ちは分かります。ほんと迷惑な行為だけどさ!

そんな本編は一哉のサークル加入に始まり、次回作の企画制作発表までのプロセスを一気に詰め込んで描いているせいか、逆に登場するヒロインたちとのやりとりの少なさがもったいないなあという印象を受けますね。メインヒロイン的立ち位置の小春と結果、いい雰囲気にまで行くんだけれども、なんか作中では主人公視点で必死に制作に打ち込んでいるシーンが多いせいか、そっちの方に気がとられてしまったというか。奥手な小春に、ねらーで濃ゆい湊に、典型的ツンデレな舞奈、さらには妹キャラな姫乃と、まさにエロゲ的な王道ラインアップ(?)な美少女たちに囲まれつつも、甘酸っぱい展開が少なかったなあと。

逆に作中で制作することとなる美少女ゲーム周辺の情報がアンバランスに多くて、作者氏、こっち書きたかったんじゃあ……と疑ってしまいますよ。いや、作中で語られた作品の元ネタ全部分かるくらいに知ってる私も大概だと思うけれど。右も左も知らない一哉が、過酷な業界の実情を突きつけられてなお、その膨大な作業量であるシナリオ執筆に挑む姿はまさに勇者ではありますが、処女作でそのボリュームはないだろうとか、やっぱり現実的目線でツッコミ入れたくなっちゃうんだよなあ(笑)

そんな感じで後戻りできない泥沼に足を踏み入れてしまった感じの一哉。両手に抱えきれないくらいの華に囲まれながらも、修羅場がこれからもひたすら続くような展開が予想されるだけに、ロマンスの入り込む余地はあるのかなあ……?

hReview by ゆーいち , 2010/09/08

気になるあの娘はエロゲンガ―!

気になるあの娘はエロゲンガ―! (HJ文庫)
谷崎央佳 , 光星
ホビージャパン 2010-09-01
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