お前は、誰の目からも隔絶された暗闇に閉じ込められておるわけではない。全てを諦めて虚無に浸るべき、廃棄された呪わしい不要品などではない――お前はまだ、必要とされておるのだ。だから、出てこい。そのためにこの手が役立つなら、いくらでも伸ばしてやろう……。
ン・イゾイーと一緒に銭湯で肌色祭り。飲んではいけないアレを飲んでしまって乱れるこのは! 《ふれあいわんにゃんパーク》で白穂が春亮とデート!? そしてフィアが迎える初めての雪の日!
「電撃文庫MAGAZINE」に掲載された4編のほか、書き下ろしではやたらと変態的な偽春亮が登場?
フィアや春亮たちの、本編では見られない日常の合間のおもしろエピソードが満載。大ボリュームでお届けする短編集第2弾!
いつもより笑いとハレンチ成分も増量なのです。
[tegaki font=”marugothic.ttf” color=”pink” size=”36″ strokecolor1=”white” strokecolor2=”pink” strokesize1=”4″ strokesize2=”6″]はっ! ここは桃源郷!?[/tegaki]
前巻の続きが大変気になるところですが、ここでいったん箸休めの短編集。コメディ成分とお色気成分増量のエピソード5編でにやにやが止まりません!
湯けむりに消えたヌポワ
銭湯でまったりと思いきや、ハレンチなトラブルが発生して大騒ぎ。やはりフィアたちの行くところに平穏などあり得ない。サヴェレンティやン・イゾイーなど、本編ではなかなかか密接に春亮たちと絡みづらいキャラたちとの日常のドタバタ。これは良い物だー。
未知を既知とすることに喜びを覚える研究室長国所属のン・イゾイーが、戦い以外のことを知っていくというのは和みますね。ヌポワの正体と、物語のオチはさわやか。こういう白いお話もたまには、ね。
妖刀村正血風録
メディック、メディーーーーーック!!
猫にマタタビどころの話じゃない、このはにアルコールというお話。酩酊してるこのはは、半分、昔の口調が出ていて今の言葉遣いと入り交じって、ああ、彼女の今の性格はある意味メッキであるんだなあと、現在進行中の話を思い出して切ない気持ちにもなりますが。
まぁ、いろいろなごたごたが解決したなら、今回のお話のように浴びるように酒を呑んで嫌なことは忘れてしまうという展開もありなんじゃないですかね?
しかし、はいてないこのは……。あれ、いつもとあんまり変わらない気がするのは気のせいでしょうか?
びゅーてぃ・あんど・ざ・びーすと? ~桜参白穂、狂奔する~
クールビューティな桜参白穂像が完膚無きまでに壊れていく……!
まぁ、白穂とサヴェレンティのふたりは、この殺伐とした人間と禍具の関係にあって、理想的な結末を迎え、現在進行中で幸せになっていっているふたりなわけで。それをフィアが憧れ交じりの視線で見るのも無理ないのかなあと。
春亮的には自分の扱いにいろいろ不満がありそうな話だけれど、結局、ところどころで美味しい目を見てるんだから役得過ぎるよなあ、主人公め!
スノウメルトの人口密度
短編集唯一の良心的(笑)なお話。
そうそう、本来ならフィアたちは人間にとって善いことをすることで、呪いを薄めていくというのが、春亮の家に同居する理由だったじゃないですか。
そして、誰に言われるまでもなく、誰かを笑わせようと思うこと、行動すること、そうできるようになっているということ、それ自体が、フィアの成長の証に他ならないんですよね。
たったひとりの少女を笑わせるために四苦八苦しながらたどり着いた答えはきっと彼女たちだから成し得たこと。
雪でできた狭い空間に身を寄せ合って感じ合ったお互いの温もりがどれだけ幸せを与えてくれるのか、小さな願いが大きな願いに繋がっているのかを、このときのフィアなら十分以上に感じ取れていたんでしょうね。
汝は春亮なりや? -Imitation of Life-
[tegaki]へ、変態だーーー!!![/tegaki]
もう、どこからツッコんで良いものやら。
カラー口絵のそれなんてエロゲ? な肌色成分満載のイラストから、斜め上に暴走したかのような内容まで、サービスサービス♪
そうか、臍か臍なのか……。
hReview by ゆーいち , 2012/01/13
- C3‐シーキューブ〈13〉 (電撃文庫)
- 水瀬 葉月 さそりがため
- アスキー・メディアワークス 2011-12-10
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