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侵略する少女と嘘の庭
素晴らしい。シリーズ前作にあたる『君の嘘、伝説の君』も恋愛小説として良い感じだった作品ですが、これはさらに輪をかけてグッド。
悪魔と呼ばれる性悪な女の子・りあと、プラモ好きの普通の男の子・牧生の、互いにどうしようもなく不器用な距離感の取り方とかが、中学生時代の初々しさを恥ずかしいくらい見事に描いていますね。性差で棲み分けが完了しつつあるこの年代の、お互いに意識しあう様とか、誰某が好きとかの恋愛談義とか、ちょっとしたいじめとか、相変わらず生々しい描写も多いですが、それが良い意味で現実感を匂わせてくれます。
単なる恋愛物語に止まらず、「嘘」をキーワードに様々な境遇だったり、不思議要素だったりを絡めて、独特の展開を見せ、それが見事な余韻でもって閉じられているものだから、読了後に感じる幾許かの寂寥感すら心地好くて。文章自体も柔らかな印象で、自然と胸に落ちてくるテキストなので、これまた良い感じ。
正直、清水マリコの作品は、このシリーズ以外はPCゲームのノベライズしか読んだことなかったのですが、良い意味で裏切られましたね。氏の他の作品もいつかは読んでみたいところです。
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君の嘘、伝説の君
不思議な少女・智奈と主人公・操の、初々しくも切ない恋物語。世界観は、前作にあたる『嘘つきは妹にしておく』と同じで、どこかで聞いたようなうわさ話や、人物名が出てきたりと、ほんのりと薄い関連性を見出せます。
雰囲気は、かなりシリアス寄りになっている感じで、所々に不気味な描写が入ったり、友人関係の変質とか、猫を被っている子の内心の吐露とか、なんかやけに生々しい部分も多々あったり。
智奈と操の関係の純朴さと見事に対照的というか。彼らのやりとりの一つ一つが幼さを残しつつも、大切な交流で、それは兄妹の真似事であったり、海への遠出であったり、特別なことでないながらも、思い出に残る出来事で。そういった描写が、ノスタルジックな情景と相まって、非常に良い雰囲気を漂わせていました。
終盤の展開とエピローグは、かなり驚かされましたが、このラストは秀逸だなぁ。二人の出会いから生まれた、一夏の物語の終わりは、それはそれは優しい嘘で彩られた、夢のような余韻で、そして一片のほろ苦い切なさを感じさせるのでした。
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嘘つきは妹にしておく
ラストの余韻が良いですね。ある意味予定調和ではありますが、そこへ至るまでの主人公・ヨシユキと、自称「妹」のみどの関係の変化。醒めたと評されたヨシユキの、物語のかけらを集めていくという一夏のささやかな冒険を経た、人々との出会いや交流による成長などが確かに感じられます。
「超能力とかでバトルするより難しい」と作中で語ったほど、困難さがにじみ出てくるような感じはしなかったのですが、様々な人物との関わりの中で、現実と、物語が相互に影響し合う構成とかはなかなか巧みなものがあると感じました。
大きな感動とか、大作感はないけれど、夏から秋へかけての季節の移り変わりの空気の、雰囲気を十分に漂わせた作品でした。
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