伏線回収のオンパレード! の最終巻
傷つき満足に戦うこともできない拓也に代わり、ルスランに攫われた日向子を救出するために“城”を目指す礼奈と毬子。それを追う形で拓也と享司も“城”を目指す。主要人物が集う“城”でついに聖婚の儀が執り行われようとしている。
……グロスマンは前巻の印象そのままに小物ぶりを存分に発揮して退場されてしまいました。彼の妄執の根源とかが語られてもなんとも共感できないし、自己愛と権力欲に溺れただけの哀れな道化だったという印象ががが。
逆にルスランの反則ぶりばかり際だって。拓也も最後まで自力で彼を打倒することはできなかったような感じ。あの決着の仕方は何とも地味な感じがしましたね。機転と奇策で逆転勝利、なんですが、どうにも爽快感に欠けるというか。シリーズを通して、拓也は成り立てのアルカミレスということで、戦闘では与えられた強力な力に振り回されるような形で参加していたのと、強敵揃いで辛勝ばかりだったというのが戦闘シーンの地味な印象を引き立てているのかなあ。
享司と深月女史の関係も、今回唐突に明かされたり、享司自身の正体とかそういう素振りがほとんどなかったので驚き。享司自身は初めてできたに等しい友人らを守るという本懐を果たしたのですが、逆に深月女史の描写がほとんどないので、そういったフォローがもうちょっとほしかったかな。
テリオンやアルカミレスの成り立ち、黄金の戦器の意味、その他諸々の設定が一気に明かされた中盤からは駆け足展開な感じでしたが、ほとんどの伏線回収し尽くしたし、エピローグもハッピーエンドといっていい感じなので、物語的には綺麗な終幕といえると思います。
hReview by ゆーいち , 2007/06/16
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- 三上 延
- メディアワークス 2007-06
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著者 三上延
イラスト 純珪一
レーベル 電撃文庫
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