オオカミというか犬扱い 尻に敷かれつつも良いコンビ
諏訪野の姫・ヒナを護る役を仰せ付かった、山神の嫡子・勇太。かつての幼なじみ同士の再会は、けれど、新しい関係での再出発。ちょっとした思い違いが原因で、ヒナは勇太からの護りを不要と切り捨てるし、勇太はヒナの真意がつかめずさじを投げかけるし。そんな中、起きた事件をきっかけに、二人の関係はさらにぎくしゃくし……。
まさか、終盤がバトルものになるとは予想できなかったなあ。そして、その辺の描写がやや中途半端な感じがして、迫力に欠けた印象。それは、敵となったキャラがあまりに小物っぽかったのも原因とは思いますが。
互いに成長した姿を目の当たりにして、見違えてしまったことを悟られないよう、好意を素直に表せない不器用な勇太とヒナの姿は微笑ましかったので、そこに絡んできたもう一人の護り手・檸檬を含めた三角関係とか、そういうラブ方面の展開が見たかった。妖怪ものとかのネタはかなり出尽くしてる感があるので、新規に開拓するには厳しいジャンルなのかなあ。途中まで、過去の事件の犯人捜しとかの要素もあったので、ミステリ寄りかなあと思っていたら、異能バトルになったし。
単体としてはまとまってるけど、シリーズ化して物語を広げていくとどんどん他の作品と被っていきそうな雰囲気。原案・執筆が完全に分業してるっぽいので、いろいろな作品を出すという方向で活動しているのかな。高崎とおる原案の前作『リセットな彼女』も続きそうな雰囲気ありながら、出る気配ないし。そういう執筆形態も、ありなんでしょうね。
hReview by ゆーいち , 2007/07/19
- オオカミは懐かない!? (ファミ通文庫 く 3-1-1)
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- エンターブレイン 2007-06-30
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