ロレンスとホロ 旅の終着を目前に変わりゆく関係
ホロの故郷の情報収集を続けるロレンスは、北の港町・レノスを訪れる。なにやら商売の気配が漂う町の様子と、そこで出会った商人・エーブから持ちかけられた美味しすぎる商売の誘いに、商人の血が騒ぐのを押さえられないロレンスは……。
商売の話がこれまでのストーリーのように大きなウェイトを占めておらず、むしろロレンスとホロのいちゃつきぶりがこれでもかと発揮された第5巻。
言葉にせずとも通じ合うふたりの姿は長年連れ添った夫婦のようで、けれど、その以心伝心な蜜月が永遠でないことを知っているホロは、それゆえにふたりの関係に区切りを付けることを望んで。
そんな苦悩とかが軽妙な会話の裏に見え隠れしていて、睦まじい様子を見せつけられながらもどこか不安な雰囲気も感じていたり。
そして、それもすべて理解した上で、ロレンスがホロに告げた言葉と、とった行動。ロレンス自身もこれまでの旅路の中で、どれだけホロの存在が大きくなってきたかをこれでもかと感じていたんですかね。ラストシーンは揺るがぬ二人の関係を確信させそうな美しいシーンでしたね。
さて、そろそろ目的地・ヨイツが目前に迫ってきました。そこで真実を得たとき、またどのように関係が変わっていくのか、一つの旅の終わりはまた新たな旅の始まりになるのか。どういう結末になるのですかね。
hReview by ゆーいち , 2007/08/27

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