バカとテストと召喚獣〈3〉

2013年4月18日

stars 目指すは鉄壁の布陣の果ての桃源郷 伝染するバカは学年中を覆う!?

学力強化合宿を控えたある日、明久の元に脅迫の手紙が届く。学園祭の時に密かに撮影された彼の「恥ずかしい写真」をダシされ。雄二も翔子から結婚を迫られ、当人たち以外にはどうでも良い悩みを抱えたまま迎えた合宿の日。ムッツリーニの調査で、明久と雄二を陥れた犯人は同一人物で、挙げ句の果てには女史風呂の盗撮を企てた羨ましいけしからん輩と発覚。彼の情報を元に、お尻にヤケドの跡の残る女子を捕まえるべく、明久らは女子風呂覗きに気勢を上げて……って、あれ?

かける言葉もない(笑) その情熱のベクトルは激しく間違っているくせに、むやみに乗せられてどんどん覗きに参加する男子生徒が増えていく様は、おまえら若いなあ、と生暖かい目で見てしまいます。

章の最初に入ってるバカテストは旅の思い出などの感想文が含まれているのですが、なんでこうもワケの分からない文章が浮かんでくるのか。作中の行動を見ている以上に、明久と雄二のいろいろな意味でのダメさ加減が伝わってきます。というか、寸評する先生、何気に興味津々なのは一体。っていうか誰!?

明久を中心にした恋の三角関係は、いつの間にやら雄二、秀吉、さらにはAクラスの久保まで加わり、混沌としてきてますな。明久の方は瑞希嬢への純情を大切にしてるのに、なんで秀吉にふらついてるか、いや、その気持ちは分かる、分かるが!! そして、美波にも弁明の余地を与えられない爆弾投下。もう、この間と段取りと運の悪さ、ここに極まれりといった感じで救えねえ。

最後の最後で、まさかこういう展開とは、な引き。嫉妬深く性格の変わってきた瑞希と、なんだか女の子の側面が強くなってきた美波、正反対な感じのするふたりの恋のさや当ての結末やいかに?

……でも、これで次は短編集っていうんだから生殺しですね。まぁ、水着、水着か。冬なのに。イラストに期待します、ええ、期待しますとも。

hReview by ゆーいち , 2008/01/12

バカとテストと召喚獣3

バカとテストと召喚獣3 (ファミ通文庫 い 3-1-3)
井上 堅二 葉賀 ユイ
エンターブレイン 2007-08-30