全部で、何人死ぬんだ? 全部で、何人殺すんだ?
巨大隕石の衝突により地球の壊滅は確定的。この破滅を回避する方法は、特殊な能力を持つ人間を、生身のまま隕石に向かって打ち出すこと、ただひとつだけ。半ば強制的に集められた候補者の三人の少年たちは、自らの意志で犠牲となる誰かを選ぶことを課せられた。
うお、後半の構成が面白い。というか、これは物語全体を読了後に見直すとにんまりできるかもしれない。
三者三様の理由を抱き、生きるため、あるいは死ぬための理由探しをする少年たちの物語。隕石の衝突は回避不可で、誰かの犠牲によってのみ、その危機から救われるという極限の選択であるにもかかわらず、そのときまでの日常は意外にあっさり進んで行ってますが。
というか、その選択が為されるまでが長大なプロローグで、そこからの急展開は、もう、読んでくれとしか言いようがないですが、ゲーム向きのシナリオだなあと思いつつ、ラストのテキストは、じんわりさせられますね。
こういう凝った構成も面白いです。まぁ、物語的にはかなり投げちゃった感のあるラストではありますが、この結末自体は決して間違ったものじゃないですよね。
hReview by ゆーいち , 2008/05/26
- 零と羊飼い (一迅社文庫 に 1-1)
- 西川 真音
- 一迅社 2008-05-20
コメント