たぶん……僕は、アーティアに恋してる。生まれて初めて、心の底からさ。この想いだけはきっと、嘘なんかついてちゃ届かないんだよ……。
《
口先八丁で世を渡り歩いてきたバーンと、竜徒・アーティアの珍道中の第2巻。
バーンがその身に宿してしまった《罪人竜の息吹》は予想以上に危険だったり、それを巡る様々な勢力の思惑が交差したりで、どんどん話が大事になっていくような。前巻で片が付いたかと思っていた、アビスパ・ジュニアの娘とかも登場して、カピロサの街を仕切るカピロッシ・ファミリーも交えての三つ巴の混戦模様。
そんな中、バーンとアーティア、お互いの知らないお互いを知る存在、バーンのかつての恋人・フェイとアーティアの弟子・ミロの登場で、ふたりの微妙な恋模様も少しずつ進展? 女を手玉にとって生きてきたはずのバーンが、初恋ゆえに戸惑ってみたり、そもそも恋を知らない感じのアーティアが、バーンとフェイの親密さに胸を痛めてみたりと、通じ合ってるくせにそれに気付いてない不器用さににやにやですね。
バーンとアーティアは、結構言葉で気持ちを伝えあっているくせに、そこに自信が持てなかったり、踏み込む勇気が出なかったりで、微笑ましい感じがしますねえ。今回の事件でも、またお互いの距離は縮んだ感じがしますが、はてさて、このプラトニックな関係はどこまで続くんですかね? ま、バーンがなんかヘタれてるんで、手を出すとかなさそうだけれど(笑)
そして、《罪人竜の息吹》を巡る争奪戦は、これからさらに激化していくのかな。アビスパスの総帥・シム・リム・アビスパの不穏な動向、そしてバーンの身に起き始た変化の兆し、これからの展開、シリアス分が増量してきそうですね。でも、そんな中お馬鹿をやり続けるであろう、キャリバーさんには期待が止まりません。
hReview by ゆーいち , 2008/08/24

- L 2 詐欺師フラットランドのおそらくは華麗なる伝説 (富士見ファンタジア文庫 は 1-1-2)
- 坂照 鉄平
- 富士見書房 2008-08-20
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