とまあ、このくらいバカな男が吉井明久。うちの二年を、いや、全校を代表するバカです。
ファミ通文庫のコラボアンソロジー第2弾。今度は『“文学少女”シリーズ』『バカとテストと召喚獣』『学校の階段』『吉永さん家のガーゴイル』が生贄に夢の競演!
“文学少女”と乙女に集う召喚獣 / 野村 美月
バカテスと“文学少女”混ぜるなキケン、野村美月サイド。
腐女子属性を備えた遠子先輩ッッッ!? ダメだアブない、心葉、逃げてー!
作者自ら遠子先輩のキャラを崩壊させてますが、これはこれでアリ。伏せ字全開な台詞を本編さながらに高らかに告げるのは、どうなんだ、いったい。ある意味、これは心葉への精神攻撃。思い立ったが一直線な彼女の性格は、バカテス世界でも通用するなあ。
“文学少女”と殺された莫迦 / 井上 堅二
混ぜるなキケン、なコラボ、井上堅二サイド。
この作品自体は FBonline で既読でしたが、やはり見所は待望の挿絵が追加された、心葉の女装シーンでしょうか。女装が似合う主人公、ここ最近のトレンドですか?
それはそれとして、バカテス風味な“文学少女”なお話としてもなかなか楽しめました。題材にする作品の雰囲気を大事にしつつも、バカテスキャラの斜め上な会話と、それに頭を痛める良識派な心葉の対比が面白いですね。どこまで行っても苦労性なヤツよのう……。
天栗浜のガーゴイル / 田口 仙年堂
『学校の階段』×『ガーゴイル』
なぜか双葉と階段レースをすることになった幸宏。ハンディとして双葉の側にはガーくんまでいて。って、そりゃ反則だろな助っ人ですが、田口仙年堂の描く階段レースって感じで、フリーダムさはないけど、短編としてしっかりまとまってた印象。
そして、やはりここでも筋肉部は出てくるのね(笑)
バカと階段と召喚獣 / 櫂末 高彰
『学校の階段』×『バカテス』
櫂末高彰がバカテスキャラを書いたら、あれ、あんまり違和感ないじゃん。
ノリとか会話のテンポとかがかなり近くて所々で笑わせられましたね。
召喚獣で階段レースという展開も新鮮。相変わらず明久のバカッぷりが光り輝く展開でした。てか、明久、どの作品でも愛されてるなあ。
“文学少女”とやってきた走者 / 野村 美月
『学校の階段』×『“文学少女”』
野村美月が『学校の階段』を書いたらこうなった。他の作品とは一線を画するかのような本気さを感じます。おちゃらけた部分がなくて、野村美月が本気で『学校の階段』を書いてみたな印象です。
お互いの部員を一人入れ替えてみた階段部と文芸部。それぞれ勝手の違う部活で1週間を過ごすことになった心葉と幸宏の内面を野村美月らしい文章でしっとりと描いています。お相手の『学校の階段』はスポ根とか熱血とかそんなテイストの作品なんですが、それとは違った側面からキャラクターの魅力を描き上げています。
心葉と幸宏、自分たちが自分たちの居場所に居た理由を、居たい理由を、再確認させられる、そんなお話でした。良かったですね。
いやぁ、今回はどの作品も知っているので非常に楽しめましたね。そして、バカテスとのコラボの破壊力は高いなあ。もっといろいろな作品とのコラボも見てみたいものです。
hReview by ゆーいち , 2008/11/07
- コラボアンソロジー2 “文学少女”はガーゴイルとバカの階段を昇る (ファミ通文庫 こ 1-1-2 コラボアンソロジー 2)
- 野村 美月 ほか
- エンターブレイン 2008-10-30
コメント
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@ranobebu 更新したよ! : コラボアンソロジー2 “文学少女”はガーゴイルとバカの階段を昇る https://www.u-1.net/2008/11/07/1561/