タロットの御主人様。〈6〉

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stars なんとかなるさ。安心しな。――だって今日は『特別な日』だからね!

ジブリールに込められた、四阿四季の“気”が枯渇し、彼女は式神としての寿命を迎えつつあった。そんなジブリールを救うため、秋人たちは四季の守り手であった、志摩桜を頼りにヨーロッパへと向かう。

話の進行が少しスローペースになってきました。肝心のタロット集めは、真冬と競う形になったので、あと5枚程度で終わるし、作中時間で数ヶ月内に、クライマックスと思しきシーンが「予言」されているので、延々と引き延ばしができるわけではなさそうですが。でも、次は学園祭やるらしいし、そういうイベント盛り込んでいくと冊数は稼げるのかも?

今回は、存在の危機を迎えてしまった良きアドバイザー(?)にして、四阿家随一の団子消費者であるジブリールを救うための海外遠征。祖母・四季の側で彼女を守り続けた肝っ玉婆さん・志摩桜に助力を乞う、これまた賑やかな旅路。微妙にシリアスな空気も長続きしないで、やっぱりお約束の肌色なシーンが満載なのですが、それでも過去の四季が下した予言だったり、ときを同じくして日本と宮殿で催される会合、秋人たちの与り知らぬところで、様々な思惑がタロットを巡り絡まり合ってきていますね。そして、秋人が慕っていた四季ですら、彼に肝心なことを話すこともなく、彼を自分の目的達成のための道具扱いしているような側面もほのめかされ、なんだかこれはいよいよ真面目な展開になってきそう、とか思えます。

そんな流れの終盤はなかなかに盛り上がったかな。秋人を中心としたチームワークがようやく生まれ、それぞれの役割を果たすという気持ちが芽吹き始めているような。これまで戦闘では足を引っ張り気味だった結夏や香澄が今回は見せ場がありましたね。少しずつ、確実に成長しているようです。秋人と彼女たちの間にあるのは単なる一方通行気味な愛情だけでなく、互いに互いを支え合える信頼感も生まれつつあるのかも。けれど、なんだか結夏の役割がこれから定められているはずの物語の中で、見つからないのが気になりますね。意味深な桜の言葉といい、ジブリールに託された四季の言葉といい、結夏は秋人にとって、これから彼の成長を大きく促す何らかのきっかけになりそうな気がします。

hReview by ゆーいち , 2008/12/17

タロットの御主人様。〈6〉

タロットの御主人様。〈6〉 (電撃文庫)
七飯 宏隆
アスキーメディアワークス 2008-12-05
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