C3‐シーキューブ〈6〉

2009年3月13日

stars 私は人のように在りたい。許されないかもしれないが、憎まれて当然の私だが、それでも思っている。

期末テストを目前にし、赤点の危機にさらされるフィアや白穂を救うべく、夜知家にて催される勉強会。そこに派遣されるのは副担任のスコップジャージ体育教師・潰道忌。フィアたちの正体を知り、微妙な態度を見せる彼女は禍具にまつわる過去があるようで。さらに謎の「おばけ」に狙われる少女・切子をかくまったことで、春亮たちは新たな事件に巻き込まれていくことになって……。

[tegaki]サービスサービスぅ![/tegaki]

なんという肌色率の高さ。水着水着水着ですよ!? ぶらぼー!

今回は割と軽めの展開。そりゃ、また新勢力の登場でフィアの周囲がきな臭くなるような予感を漂わせつつも、彼女自身の成長が果たされているせいか、この程度の試練では簡単には折れないくらいの心の強さを持ってきてるようですね。

これからしばらくの敵対勢力となりそうな彼らの存在意義が、これまたやっかいな感じで、家族会と似たような狂信さで、正反対に振れてるような『竜島/竜頭師団』が続々とフィアたちに迫るような展開になるのやら? これまでの展開だといきなりボスキャラ登場とかもあり得そうですが。

ああ、にしても、フィアの成長は着実になされてますね。手痛い裏切りを受けても、彼女はそこで誰かを信じることをあきらめたりしない、拒絶されてもそこで手を差し伸べ触れることを恐れたりはしない。人という存在のきれいなところも、それ以上に汚いところを見てきても、フィアの憧れは消えることはないんでしょうね。それは、自分の呪いを否定することでもあり、禍具であろうと人とともに在ることができることを証明しようという願いであり意志であるのでしょうか。

自身の存在意義を春亮や、彼の周囲の皆が望むような方向と同じものとして重ねているフィアの、人間なら当たり前の、けれど彼女にとっては新鮮な感情に触れることで見せた喜びの描かれはなんとも嬉しく思えたりするのですよね。

今回は、前巻の挿絵のお詫びとかが巻末に載ってたりしてある意味貴重かも。挿絵の矛盾とかって結構あるけど、こういう感じでしっかりとお詫び・訂正されたのを見たのは初めてかもしれません。ついでに、いんちょーさんの描き下ろし絵が、もう、ねっ!!

あとは、白穂とサヴェレンティのバカップルぶりとお色気要員ぶりにさらに拍車がかかってる気が。春亮が誤解したシーンとかね、あれ、実際に誤解じゃないことやってるんじゃないの、ねぇ、ねぇったらさ!? などと妄想前回になるピンクなシーンも含めて美味しくいただきましたよ。

hReview by ゆーいち , 2009/03/08

C3‐シーキューブ〈6〉

C3‐シーキューブ〈6〉 (電撃文庫)
水瀬 葉月
アスキーメディアワークス 2009-03-10
Amazon | bk1