生徒会の五彩――碧陽学園生徒会議事録5

stars 自分にとって幸福になれるものだけを信じて生きることは、悪いことじゃないと思います。妄想でも、現実逃避でもなんでも、幸福なもん勝ちの世の中なんですよ、結局。

企業と対峙する杉崎は重大な決断を迫られる。彼が大切にするひとたちを守るため、巨大すぎる敵と単身相対する。なーんて、どこまでが本当かどうかはその目で確かめろ! 裏方の事情なんてつゆ知らず、生徒会の面々は今日もだらだら充実した、けれど幸福な毎日を送っているのですよ。人知れず開幕していた企業編、ここに完結!?

ここで一区切り、だけれど、やってることは変わりません。プロローグとエピローグで本編とは変わった毛色で進んでいた企業編はあっさりと幕。この微妙なシリアスパートが今後どんな意味を持ってくるかは、続きを待つこととして、前作との微妙なリンクとかがほのめかされてるのにはニヤリですね。神様と知り合いとかね。

主人公らしい見せ場はそんな始まりと終わりで存分に発揮した杉崎。けれど、日常ではどこまでもないがしろにされていて哀れ。とはいえ、彼がいないとすぐに立ちゆかなくなる生徒会。見えない場所で頑張っていた彼の姿がほんの少し垣間見えた「仕事する生徒会」で、彼への好感度は急上昇? まぁ、半数の女の子の好感度があるいはマイナスに振り切れてる可能性もありますが、流れ的にフラグ立ちまくってますからねえ。なんだかんだで人知れずハーレムルート驀進中な予感! しかし、そこに彼の望む酒池肉林イベントは含まれていないあたりが笑えますががが。

さすがに5冊も感を重ねると突飛さよりも安定したギャグに笑わされますね。ぎりぎりなネタは今回少なめな感じもますが、角川グループのアドバンテージを活用したネタとかは毎度毎度笑わされます。時事ネタ多数なので、1年後に再読するとかには厳しい性質の作品ですが、リアルタイムで追っかける分にはとことん突き抜けて楽しませてもらえるお話ですね。

hReview by ゆーいち , 2009/04/25