お前達には、それがあるか? どんな個人的な感情であっても構わない。どんなに主観的な理由であっても問題ない。このイギリスの危機を救うために、圧倒的な恐怖に立ち上がるだけの、ちっぽけな勇気はあるか?
第二王女・キャーリサと『騎士派』によるクーデターでロンドンは堕ちた。インデックスを救うため、上条当麻はフォークストーンを目指す。一方、今にも弑されようとした第三王女・ヴィリアンを助けたウィリアムは、騎士派トップ・騎士団長との因縁の対決が始まろうとしていた。
超絶バトルはエスカレートする一方。もはや生身の人間である上条さんの付け入る隙はありません。だんだんと、彼は幻想殺しというひとつの霊装に成り果てつつあるような気も……。
ともあれ、バトルに次ぐバトル! イギリスを舞台に勃発した第二王女・キャーリサによるクーデターに立ち向かう各勢力たち。第三王女・ヴィリアンの窮地に颯爽と登場した後方のアックアことウィリアム=オルウェルと騎士団長の人外バトルを皮切りに、ほぼ丸々一冊激戦続き。カーテナ=オリジナルの力によりほぼ無敵に近い存在となったキャーリサとの総力戦は、軍事に特化した彼女の才と相まって窮地の連続。奥の手を凌いだかと思ったらさらなる切り札が用意されていたりして、ホント、どうやって勝つんだという絶体絶命のシチュエーションの連続なんですが。
で、ツッコミを入れちゃいけないんでしょうけど上条さんの頑丈さが、それだけ見れば人外の領域に達しているのがさすがに気になるように。ってか、アレで死なないってどんだけ強運(悪運)なんですか、上条さん。
今回はあんまり見せ場がなかったような感じですが、最後の一撃をしっかりと食らわせてやれたり、そして次なる強敵・右方のフィアンマとの出会いや、彼がインデックスにやらかしたことで上条さんブチ切れモードに突入? ようやくヒロインとしての扱われ方になったかと思ったら、これはまた出番がぐんぐん減る展開な気もしますが、フィアンマを退けるまでに次なる見せ場は彼女に用意されているのでしょうか?
ああ、でも、少年漫画の王道的なかつての強敵との共闘というシチュエーションは燃える燃える。言葉交わさず戦場での瞬間のコンビネーションとかどんだけ以心伝心してるんでしょうか。表紙の通り、今回のエピソードはウィリアムが全部持っていった感じですね。今後は、神の右席たるアックアとしてではなく、傭兵としてのウィリアムとして戦っていくのでしょうか?
お話的には、このクーデターで壊滅的な打撃を国内に与えようとしたキャーリサの動機は女王でなくても呆れてしまいたくなるものでしたが、国を憂い、国民を愛したゆえの暴走から、皆が主人公となって一夜限りの大乱に身を躍らせるという流れは熱かったですね。良いところ持っていった女王・エリザードはさすがというか、器が違うというか。英国編がこういう形で幕を下ろしましたが、今後の戦いではどんな立ち位置へと変わっていくのやら。
混乱の元凶たるフィアンマの目的は謎のまま、物語はさらに混沌としていくような雰囲気。キャラが増えすぎてワケ分からなくなってますが、分かりやすいボスキャラはあと数人てところなのかなあ。魔術サイドの物語が一段落しても、科学サイドではまだまだ消化されてないお話が山盛りだから、終わりは見えそうにありませんががが。
hReview by ゆーいち , 2009/07/11
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コメント
コメント一覧 (3件)
更新したよ! : とある魔術の禁書目録〈18〉 https://www.u-1.net/2009/07/11/1862/
今までは、科学サイドの話に比べて魔術サイドのほうは、敵の強さがイマイチだなぁ…と
思っていたのですが。とんでもない!!最近は、すさまじい勢いでインフレしてますよね^^
あのメンバーとまともにやりあえるのは既出メンバーだとレベル5のみなさんくらいですね。
今後の展開としては、どうなるんでしょうね?
イギリス→ロシア→学園都市といく可能性もありますし、どうも前巻の土御門の言動から
科学サイドでも何らかの事件が起こってるんじゃないかなぁ?と匂わせてるような気がするんですよね…。
とある魔術の禁書目録18巻の感想レビュー(ライトノベル)…
電撃文庫のラノベ、『とある魔術の禁書目録(インデックス)』(鎌池和馬先生原作、灰村キヨタカ先生イラスト)の18巻が発売中です。
表紙はウィリアム=オルウェ……