タロットの御主人様。〈7〉

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stars 今日でこの不愉快な『楽園の占現』は終わらせる。私たち三枚で四阿秋人を殺すんだ。――この世界に取り返しのつかないことが起きる、その前に!

待ちに待った文化祭が開催。最優秀賞を獲得したクラスには豪華な賞品も与えられるということで秋人たちのクラスも優勝目指した準備に余念がない。開催するは、秋人をメインに据えた占い喫茶。けれど、占いにかけては失敗続きの秋人にこんな重大な役所を任せて大丈夫……? 一方、そんな文化祭に、秋人の命を狙うタロットまで現れて……。波乱含みのお祭り騒ぎは一体どうなる!?

あぁ、ようやく物語が動き始めた。

登場するタロットとなった女の子の大部分が秋人へ好意を抱いているのに、誰もその気持ちを彼へとぶつけようとしなかった膠着状態にようやく転機が。八久住さんの一念発起の決死の行動が、秋人を中心とした人間関係に大きな爆弾を落としてくれました。拍手。

まぁ、それでもこの作品、主人この秋人がどこまでも鈍感で、そんな気持ちだって気後れして有耶無耶にしてみせそうな予想を、普通にさせてしまうくらいに悪い意味で奥手な人物なので、これで何かが変わるのかとか、簡単にはいかないとも思えるんですが。

文化祭の準備にかこつけて繰り広げられる恋バナの数々。結夏、八久住さん、籐子様、三崎と、現時点で秋人に最も近い場所にいる4人の、彼への気持ちの微妙な違いが語られてるあたり、誰が本命なのかは言わずもがなですかね。本命・結夏、対抗・八久住さん、籐子様とか三崎は、好きという気持ちの意味合いが随分と違うような感じで、ままならないことに対する対抗意識だったり、得ることができなかったスキンシップへの欲求だったりと、恋愛方面とは別次元で好いてるような感じなんですよね。今回の八久住さんの行動で、彼女たちのバランスも大きく崩れるでしょうし、いつまでも逃げ続けるわけにはいかない秋人も答えを求められてくるでしょうし、物語の進行に比べて大きく後れを取っていたような、恋愛の要素もこれから急加速してくれると嬉しいんですが。

回収されたタロットも過半数を超えて、ようやく宮殿側も動きらしい動きを見せてきてますね。秋人に隠された秘密の一端が垣間見えたり、アメジスティアの崩れかけの運命の理由といい、シリアス要素も少しずつ増量中? ハーレム屋敷はどんどん人口を増やしていってますが、あんまり寄り道しないでゴールを目指してほしいですね。

……そして、噛ませ犬っぽさが巻が進むごとに増している真冬は、汚名返上の機会はあるのでしょうか?

hReview by ゆーいち , 2009/07/19

タロットの御主人様。〈7〉

タロットの御主人様。〈7〉 (電撃文庫)
七飯 宏隆
アスキーメディアワークス 2009-07-10
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