バカとテストと召喚獣〈7〉

2013年4月18日

stars さて、先生方。手前勝手で悪いが……こっちも色々と事情が変わっちまったんだ。――これ以上は、1点たりとも取らせねえ。

これまで数々の恥辱(←自業自得)に耐えてきた明久とFクラスの面々。しかし、そんな彼らも遂に爆発!? 新学期早々の抜き打ち持ち物検査で聖典(エロ本)を没収され復讐に燃える修羅たちは、体育祭の一競技、生徒VS教師交流野球で教師陣に直接恨みを晴らさんと誓うのだが……。なんと競技は戦友(エロ本)を賭けた召喚獣野球に発展! パトス溢れる球宴の果てに明久たちを待つのは勝利か敗北か? 「このままだったらお前も死ぬぞ!」(by獲物先輩)熱闘激闘剛速球で贈る第7巻!

学校イベント目白押しな本編。次なるイベントは体育祭。没収されたぇちぃ本を取り戻すために、立ち上がる勇者たち! 敵は強者、教師軍団。2-Fの面々は、憎き奴らを討ち果たし、見事奪還を果たすことができるのか!?

健全なスポーツでもって、不健全図書を奪還しようという思考がすでにバカ。持ち物検査で没収された品物を、景品としてかけるというモチベーションの上げ方を考える学園長も学園長だけれどさあ!

まぁ、そんないきさつはさておき、召喚獣を使った野球という、特殊なルールで催されることになった交流野球試合。日頃の積もる恨みを果たすべく牙を研ぐバカどもと、それを迎え撃つ実力十分な教師陣。けれど、そこはバカテスキャラたち。単なる野球をやるだけなのに、どうしてここまで斜め上の展開が巻き起こるのやら。

姫路さんとか、いろいろ、ひどいですね。学業においては完璧超人の名をほしいままにするだけのスペックを持っているのに、そこから外れると一気にダメな感じになってしまうのがなんともかんとも。料理下手の必殺スキルに加えて、今回の一騎当千の活躍ぶりはもはや単なるヒロインの枠に収まらないのでは……(笑) いや、彼女の手にかかって対戦相手にとってみては、本気でシャレにならない恐怖だったのは想像に難くないのですが。審判の先生のノリの良さと相まって、この辺の展開の面白いこと面白いこと。姫路さんを乗せる雄二の巧みな話術と、その甘言にころっと引っかかる彼女、何も知らない憐れな子羊(=明久)の図は、ここでも変わらないんだなあ、と。

そして、因縁の対教師戦。知らぬとはいえうっかりしてしまった失言で翔子さんを傷つけてしまった雄二。その失態を取り戻すためにマジモードになるあたりからが、今回の盛り上がりどころ。いつもなら、こういう場面で火が付くのは明久の役目ですが、今回ばかりはその役は誰にも譲れない。昔の後悔を繰り返してなるものかばかりと男を見せる雄二の姿は必見ですね。

そんな熱戦の果てに、ようやくつかんだ勝利。けれど、その勝利の先に待ち受けていた悲劇に再び絶望のどん底に突き落とされる2-Fの面々。あの仕打ちはひどい。転んでもただでは起きない教師陣、鬼です! そして、女子たち、何取り上げられてるの、そんなもの学園に持ってくるとかどうかしてますよー!? とオチはやっぱりバカテスらしいおバカな感じで笑いどころ満点のお話でしたね。

そんな笑いの後にささやかに挿入されてる姫路さんと翔子さんのガールズトーク。他人のことならとことん策士になれる姫路さんと、普段のクールさからは想像できないかわいらしい翔子さん。姫路さんの入れ知恵で、果たして彼女は雄二にお詫びをねだったのかどうか。そればっかりはふたりのナイショとばかりな終わり方もにやにやさせられましたね。くはー。

hReview by ゆーいち , 2010/04/06

バカとテストと召喚獣7

バカとテストと召喚獣7 (ファミ通文庫 い 3-1-9)
井上 堅二
エンターブレイン 2009-12-26