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岡崎裕信 Tag Archive
アクマ・オージ〈3〉セイレーンが歌う海
それでも、諦めない。いままでたくさん諦めてきたから――今度ばかりは諦めない。
異世界での冒険から帰還した逢司は、かしましい女の子たちに囲まれ楽しくも平穏な日常を送っていた。しかし、七罪城での冒険の結果は、現実世界にも大きな影響を与えていた。傷つき、散っていった友人たちの消失、そして悪魔王子の復活。全ての元凶である事件の真相が明らかになるとき、ほんとうの敵が正体を現す。
俺たちの戦いはこれからだっ!!
うああああああ、なんだこのラストはああああ!? ちょ、微妙なジャンプパロディネタとか入れてる場合じゃないですって。あの部分を削って、ちゃんとした結末を描いてほしかった。こういう想像に委ねるラストがいけないとかじゃなくて、投げっぱなしなのがああ……。
そんな感じで、シリーズ完結。どうにももやもやとしたラストシーンで、まぁ、きっとハッピーエンドになるんだろうけれど、ボスキャラ4体以上残しての幕というのは消化不良な感じが否めないなあ。
悪魔王子の正体とか、事件の真相とか、後出しで明らかにしたわりにはその収拾が付けられてないし、う~ん、ライトな展開に徹していながらライトに締めくくれなかったという印象が。
というか、本作以前の岡崎裕信の作風が好みだっただけに、明らかにテイストを変えて書かれていた本作が合わなかっただけなのかなあ。次はもっと重いお話を読んでみたいですね。
hReview by ゆーいち , 2009/05/02
- アクマ・オージ〈3〉セイレーンが歌う海 (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 岡崎 裕信
- 集英社 2009-04
- Amazon | bk1
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アクマ・オージ〈2〉リヴァイアサンの大灯台
もう一度言うわ。この偽善者。愚民という呼び名すら、あなたには過ぎた称号ね。これからは塵芥を名乗りなさい。生きていてすいませんと謝る前に、首を吊って死になさい。
逢司たちのクラスに転入生がやってきた。黒野九印、彼女は逢司にとって決して忘れることのできない過去に関わる少女だった。唯我独尊に振る舞う黒の女王の目的とは? そして、逢司たちは時を同じくして謎の事件に巻き込まれる。見知らぬ海とそびえ立つ巨塔、そしてその中には彼らに襲いかかってくる怪物たちがいて……。
そんな感じで一気にファンタジー要素が表に出てきてどうしようかと。退魔だとか悪魔王子だとか、単なる学園もののお話かと思っていたら斜め上の展開でしたね。
逢司にとっても因縁深い九印の転入から始まる新しい事件。彼女自身の在り様もまた、彼女が望むと望まざるとに関わらず、外部から鋳型にはめられるように矯正されたもので、それは逢司がかつての自分の行いから、自分を悪魔と思い込み、自己犠牲の精神で友人たちに尽くしているのと本質的に似通っているのかなあ。逢司は友人として、そして九印は彼らの上に立ち支配する者として、根底では「守るべき者」のしあわせを願っているはずなのに両極端なふたりが好対照でした。
孤高を自らに課した九印にとって、理解できない存在である逢司。彼が九印に告げた言葉で、彼女の世界が一変して、いきなりフラグが立ちまくるのはアレですが、クラスメイトたちへの接し方が変わっていくあたりは、彼女の内面の変化のささやかな描写としてニヤニヤしてしまいましたね。
そして、本編的なリヴァイアサンの大灯台の中での冒険は、もう、何が何だか。逢司自身の特殊性とか、彼の隣に居続ける青蓮と過去の事件の真相とか、最後の最後で一気にどんでん返しされた感じがしますが、この先どうなることやら。
基本、パロディ要素が多くて、ギャグ調なくせに、所々で岡崎裕信らしいシビアさが見えてます。個人的には、どうしようもない運命に追い詰められるような救いのなさと、その中で強さを見せる主人公たちの意志の力のきらめきだったりが好みなので、もっとシリアス分多めで、真実へと迫ってほしいですね。
hReview by ゆーいち , 2009/03/01
- アクマ・オージ〈2〉リヴァイアサンの大灯台 (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 岡崎 裕信
- 集英社 2009-01
- Amazon | bk1
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アクマ・オージ
はい、悪魔です。今日も生きててすみません。
過去のとある事件により、悪魔と自称し、ひっそりと生きる少年・相馬逢司。けれど、彼の周囲の世界は、彼のクラスメイトたちは、優しくて。だから、逢司は決めた。この優しい世界を守ろうと、たとえ自分が傷つき、命を落とそうとも。そうして、逢司は友人たちが巻き込まれたトラブルに、自ら飛び込んでいく。
岡崎裕信の過去の作品を知っていると逆にびっくりするかも。なんだか、やたらと読みやすくなったし、重い展開に落ちていかなかったし!?
過去の凄惨な事件の生き残りで、自分もその手を汚してしまっていることから、生きる価値なしと思い込もうとする少年・逢司がクラスメイトたちを助け、そして助けられる物語。
なんか、この自虐的な性格も、こちらがどん引きするくらいのヘヴィさで描かれていればまだしも、幼なじみの少女・白姫青蓮をはじめとした、愉快で優しいクラスメイトたちに囲まれているせいか、どん底感はどこにもないんですよね。そんな優しさに報いようと、自分を省みない無茶をしつつも、ちゃんとその恩を友情として返してくれる友人たちも素敵。というか、逢司のクラスは楽しすぎる。結果、彼がその楽しさに気付くところまで描かれたというのが、彼にとっての最大の救いだったのかなという印象です。
過去の作品だと、主人公はとんでもない運命を背負わされていたり、未来に希望が残されていなかったりと、さんざんだったのに比べると、本作は前向き前向き、どこまでもまっすぐですね。私個人としては過去作のような雰囲気も大好きなので、そういうお話ももっと見てみたいのですが、本作においては、意図的に文章を軟らかくしているのか、対象年齢を低めに設定して物語を書いてるのかなあとか思いました。確かに、逢司みたいな思考をする中学生とかいそうだもんなあ、邪気眼なノリだけれど、独りよがりにならずに、逢司自身も周囲の世界を受け入れてるので、そういった意味ではまったくもって救い満載の結末ですね。
ヒロインの青蓮との関係は年齢相応の幼い友達以上恋人未満な雰囲気ですが、青蓮がひとり突っ走って行ってる感じなのがにやにやしますね。可愛い娘なんですが、物語全体で見ると逢司との絡みが少なかったのが残念かなあ。続きがあるなら、らぶらぶしたりするシーンを見てみたいですね。
hReview by ゆーいち , 2008/10/24
- アクマ・オージ (集英社スーパーダッシュ文庫 お 3-5)
- 岡崎 裕信
- 集英社 2008-09-25
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夜空の双子座に紅いバラ
岡崎 裕信が紡ぐ新たな紅いバラ
CRS 日本支部を訪れた双子の姉妹、真理と倫理。先天性吸血鬼として目覚めてしまった倫理を病気と断じ、治療するために奔走する真理。対照的に自分の変化を受け入れ、CRS の一員となることすらも冷静に視野に入れる倫理。そんな中、吸血ウィルスを研究する組織とのいざこざも発生し、そこで生まれた後天性吸血鬼はこれまでとはちょっと違った能力を発現。何やらその裏には胡散臭い人物がいるようで……。
前作『ウェディング・ドレスに紅いバラ』の続編は、田中芳樹から岡崎裕信へバトンが渡され執筆というちょっと面白い形態で発刊。作品の雰囲気的にも、上手く前作を引き継いでいるようで、違和感はあまりなく読むことができました。もっとも、私はこれまでの岡崎裕信作品のような、ちょっと癖のある文体が氏の特徴で売りでもあるとも思っていたので、意図的に文体を似せているのだろうと推理できますが少々残念だったり。
こぢんまりとしたCRS という組織とは逆の思想で人間社会にとけ込もうとする新たな組織が出てきて、対立構造が生まれたのかな? そのメンバーだったりしたキャラは結構理性的で、激しい組織間の抗争というよりは、騙し合い化かし合いみたいな感じで話が進みそうに感じましたが。相手はなかなか手強そう。今回登場した真理・倫理の姉妹も大きく関わってきているだけに、その年齢に分不相応な荷を背負わされてしまったふたりが、どのように成長していくのかも興味深いですね。
前巻と違って、淳司と雅香の間の感情も、少しずつラブ寄りになってきた感じ。こういう微笑ましいやりとりはみててにやけてしまうので、もっとやってください。吸血という行為に特別な意味を見いだしてしまう雅香の照れっぷりやら、そんな彼女のはじめての相手になれなかった淳司の嫉妬っぷりやら、初々しいったらないですわ。双子の登場で彼らの間も引っかき回されてきそうだし、関係の進展にも期待したいところです。
hReview by ゆーいち , 2007/08/09
- 夜空の双子座に紅いバラ
- 岡崎 裕信
- 集英社 2007-06
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フレイアになりたい〈2〉 ハーデスが泣いている
岡崎裕信の書く作品のラストはどれも切ないですね。その辺が(残念ながら)万人受けしない理由の一つなんでしょうか。ということで、まさか出るとは思っていなかった『フレイアになりたい』の続編。そしてこれで完結だとか。なんですとー!?
前作のラストで、大切な友人を喪ったショックから立ち直りきれない瞳。そして自身と、若菜に残された最大5年という時間を、悔いのないものにするために、最初で最後の覚悟で映画を撮る決意を固めるのだが。
序盤は氏の作品らしく、軽快なテンポで会話が進むかと思ったら、いきなりショッキングな展開で急転直下。「悲しみ」の感情を操り、人を自殺へと追いやる神格能力「ハーデス」の使い手に対して瞳の取った行動は。
新キャラとして登場した、妹キャラ・夜空と、今回のキーパーソンとなる大垣の、心の内に抱えた「悲しみ」の昇華の仕方が対極で、そして立ち位置としても真逆にいるんだろうなあという感じでした。子どもと大人、停滞を選ぶのか、前進を選ぶのか。結局、前進を選んだ大垣の結末は、彼の歩んできた道程と、犯してしまった罪の重さからすると報われたものではなかったかもしれませんが、最後の彼の表情が笑顔であったということが、ただ一つの救いだったのかなと。
悲しみや絶望という負の感情の根源たる、青の神格能力者の瞳が、前作の夕陽のように、フレイアとして誰かを応援したいと願う気持ちが、彼女の存命中にどれだけ叶えられるのか、今後語られることはないのかもしれませんが、泣いて笑って、きっと満たされた時間を送ることができると信じられる、そんな物語。
……でも、あとがきのハジけっぷりは別の意味でインパクトが。集英社刊というメリットを最大に活かした傍若無人なまでの魂の叫びを聞け!
- スーパーダッシュ文庫 | フレイアになりたい | ライトノベル | 岡崎裕信 | 読書感想
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