神様のメモ帳

2007年1月27日

神様のメモ帳読了。

火目の巫女の続きは出ないんでしょうか? な杉井光の新シリーズ(?) ニートが探偵という、取り合わせの奇抜さにインパクトを受けていたら、その内容は存外にしっかりしていて、現代の病み具合を絶妙に写していたりして良い出来でした。なかなかに救いがないけれど。雰囲気的にはTOY JOY POPのぐだぐだ感がもう少し指向性を持った感じなのかな。それぞれに発揮できる能力があるのに、自発的にそれを用いようとしない連中が、主人公の一言で、事件解決に向けて動き出す。作中で語られてるようにニート観とか、作者の代弁じゃないのと思えてもしまいますが、そうか、作家は(作者定義では)ニートなのか……(´・ω・`)

全てが手遅れになってしまった後に、真実に辿り着いても空しいだけで得られたものは徒労だけの後味の悪い事件の顛末。主人公のとある冬を台無しにして、何も帰ってこなかった事件。結局は生きていくことの辛さやら虚無感やらを引きずって、この先の人生を歩むとして、今回の事件を通して関わってしまった人、関わり合いを失わざるを得なかった人、新しく築かれた関係が今後どのように振り返られるのか。

杉井光の書く作品は、人々の生き辛さやら報われなさやらをしっかりと描きながら、最後の最後にほんの少しだけ救いを見せてくれる、このバランスがお見事という感じ。良作。