火目の巫女

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火目の巫女読了。

火目と呼ばれるお役目を目指し、集った少女たち三者三様の生き方を描いた、もの悲しい物語。

時代の一片を切り取ったようなエピソードで、その前後にも同様の悲しみが生まれては消えていくことを思わせる時代背景と設定。

本作の主人公として描かれた伊月が目指した火目という役所の、ただ一人の人物の感情を満たすために作られたシステムに過ぎないという、傲慢にして残酷な事実。そこに生きる人たち皆々が、化生の恐怖から逃れるための縁とする火目が、その実、化生の存在と表裏一体の不可分であるという皮肉。目指すものの価値が信じられなくなり、恩人である豊日への矛盾した感情に苦しめられることになる終盤の展開は、重々しいの一語に尽きます。

結局、伊月、佳乃、常和の三者が、再開する日は二度と来ないということを理解しながらも、過ごした時間の中で育まれた絆は消えていないことを仄めかすエピローグの余韻は、なかなか素晴らしいものだったかと思います。

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