ダブルブリッド〈9〉

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stars さて、前に進もう。僕は僕の為したいことをしに行こう。

安藤を手にかけ、喰らおうとした寸前、虎司は太一朗の襲撃を受け、そのまま戦いへと発展する。あと一体、童子斬りでアヤカシを殺せば太一朗も死ぬ。しかし、太一朗は童子斬りの力を使わず、拳でもって虎司を圧倒する。想像だにしなかった虎司の正体を知り、そして人外同士の戦いの中で、傷ついていく彼の姿を見ることしかできない安藤は……。

太一朗、怖いよ、太一朗!

なんだ、あの最後の挿絵の凶悪さは。そして、そうか、こんなところで4年以上も待たされたら、どれだけもどかしいことか。そんなことを思いつつもついに、対峙を果たした優樹と太一朗、激突の直前で次巻へ続く、っておい!

前半は虎司と安藤さんの物語に一応の決着が見られました。人間とアヤカシという本来なら共存することが難しい異種族同士、けれど、互いに好き合っているふたり。これまでの物語の中で、「好き」という関係を築いたふたりが、どれもこれも報われない別れを経験している中で、彼らの関係は非常に希望を抱かせるものですね。虎司の何気なく、そして言葉以上の他意のない台詞に、妄想が暴走してしまう安藤さんの様子は、この殺伐としたお話の中のひとときの安らぎでした。虎司にとってはかなりの苦行となりそうですが、ひとまずはこのふたりの幸せな決着に拍手を。

そして、これが最後の戦いになるのか? 優樹と太一朗、お互いを認識することなく、かつて同じ時間を過ごした3ヶ月がまぼろしだったかのように殺し合うことしか道の残されていないふたり。ここに割り込んできた大田の一括が、ふたりの心にどんな波を起こしたのか、現時点ではそれさえも絶望にしか繋がらないような雰囲気なんですが、ここからどんな結末へ至ろうというのか。

あと1冊、なんだかまだまだ残された伏線がたくさんあるんですが、その決着はどうなる? 背後で蠢いていた思惑がいろいろあった気がしますが、本当、優樹と太一朗の物語だけは救いがもたらされてほしいと切に願います。

hReview by ゆーいち , 2008/11/26

ダブルブリッド〈9〉

ダブルブリッド〈9〉 (電撃文庫)
中村 恵里加
メディアワークス 2003-12
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