ラッキーチャンス!〈8〉

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stars “強ければなにをしても良い。倒されたらなにをされても仕方ない”なんて思いたくない。ただそれだけなんだ。

沙代の誘いを受けて、霊能力者の名家・天草家でしばらく暮らすことになった雅人とキチ。でも、天草家には、砂男とか鏡男とか妖術使いの女とか、何やら怪しげな人たちが集まっていて……。
訪れたばかりの雅人たちには知らされてなかったが、天草家の次期当主の座をかけた大バトル大会が始まろうとしていたのだ!
しかも、優勝者への副賞は、沙代自身って……。
なりゆきで参加することになった雅人とキチ。果たしてバトル大会の行方は!?
疫病神から転職したばっかりの福の神キチと、最強の“ごえん”使い・雅人のハッピーラブコメ、第8弾!

示せ! おのれの“強さ”を!

ということで始まりました『奉り』。天草家の当主&副賞の沙代さんを賭けたルール無用のバトルロイヤル。天草家の怪物たちに加えて、名も知らぬ大量の参加者たちの中で、雅人は果たして最後の一人となれるのか! というノリで進行する本編だけれど、まだまだ序盤。クセのある参加者たちも顔見せといった段階で、今のところはザコを一掃する雅人の強さをあらためて見せつける導入部に過ぎない感じですね。

天草家のラスボス、ザ・レディーは、その他を圧倒する暴力という名の強さで、天草家を牛耳り続けている諸悪の根源。自分より強いものを見たことがない、出逢ったことがないという事実に裏打ちされた実力で、叶わないことなどないといわんばかりの身勝手な振る舞いを見せるザ・レディーですが、作中の描写を見ると、絶対的強者というよりも単なる俗物程度にしか映らないのがなんとも。まぁ、この作品だとそこまで絶望的な展開になると逆に違和感だったりする可能性もあるので、今の段階では、雅人や沙代さんにとって越えるべき壁という障害の役割なんでしょうか。

とはいえ、くせ者揃いの勝ち抜き戦。手を抜いて勝てるような甘いものでもあるはずがなく、最強のなを背負うことを自らに課している雅人の、その実力が全力がひさびさに見られるのは間違いない流れですね。正攻法な力押しでは勝ち目の薄そうないやらしい敵もいますが、なんだか虎の尾を踏む真似をしてしまったようだし、逆にこざかしい策ごと吹き飛ばしてくれるような爽快な勝利を見せてほしいものですね。

それぞれが信じる、強さというものの価値観のぶつかり合い。強ければなにをしてもいいのか、弱ければなにをされてもいいのかという、弱肉強食の摂理に対して真っ向から反抗しようとする雅人の考える強さが、力に支配されている天草家にどんな風穴を開けてくれるのか見物ですね。

雅人を巡る恋の戦いも、キチ自身が恋ごころを自覚し始めたりとさらに波乱の予感。慈母のような愛情を見せる二ノ宮さんや、頼もしいパートナーである沙代さんともまた違う、二人だけの絆はかなり強固ですよ? この絡まり合っていく愛情の糸がどう繋がるのかも楽しみです。

……まぁ、最後に出てきた最強最悪モンスターな某氏の愛情は、謹んで辞退させていただきたいところではありますが。というか、わざわざ貴重な挿絵を1枚ここに使うとか、どんな判断よ!

hReview by ゆーいち , 2012/02/12

ラッキーチャンス!〈8〉

ラッキーチャンス!8 (電撃文庫)
有沢 まみず QP:flapper
アスキー・メディアワークス 2010-12-10

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