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葵せきな Tag Archive

生徒会の日常 ――碧陽学園生徒会黙示録1

stars 待つのよ、真冬ちゃん。それは早計よ。鞭なら、普段から私も持ってるわ。極めて一般的な持ち物よ、これは。

事件は生徒会室の外でも起きている。杉崎鍵は副生徒会長としての顔以外にも、誰にも知られることのないもう一つの顔があった! 教室で、通学路で、自宅で、生徒会メンバー以外と送る、杉崎の日常が今、明らかに! 謎の転校生・中目黒君(美少年)も本当に転校してきて、真冬ちゃんのテンションも限界突破です!!

妙なテンションで突っ走る生徒会シリーズの短編集。生徒会室を飛び出して、皆が皆フリーダムにやってるもんだからさらに収拾付いてないような。いいぞもっとやれ。

相変わらず、ぎりぎりのネタを付いてくるけど、他社作品ネタ大丈夫なのかなあ。笑えるから読む方としてはこの調子で怒られても続けてほしいけど。

本編はなんだかシリアス度が高まったところで続いてるけど、短編集は読み切り形式なのでやたらと気楽に読めますね。杉崎のクラスに中目黒君が転校してくる件は、自分の良いひとっぷりが仇になって、どんどんフラグ立ててる彼の姿が、憐れみよりも笑いを誘います。新キャラのスペース姉弟も脇役にしておくには惜しいくらいの変なキャラなので、今後も短編でいじられまくってほしいかと。

にしても、本編以上に杉崎が主人公らしく活躍してるのを見ると、妙な気分に。なんだ、お目当ての子以外には、普通に格好良く振る舞えるんじゃないか。そんなヘタレさも彼の彼たる所以みたいな感じで、微笑ましく思えてしまいますね。

hReview by ゆーいち , 2008/09/27

生徒会の三振――碧陽学園生徒会議事録3

stars 好きだよ、ファンタジア! 過去何度『竜破斬』を練習したことかっ!

今日も今日とて事件も事故も起こらない碧陽学園生徒会室。ってやっぱり今回もめっちゃ狭い世界が舞台!? ゲームやったりインタビュー受けたり、たまには真面目に仕事する振りしたり、なんだか椎名姉妹の知られざる過去が明らかになったりするけれど、やることは変わりません。だべって楽しく放課後を過ごしましょう。あれ? なんだか裏で、きな臭い動きがあるようだけれど、ま、いっか。

だらだらだべるだけのシリーズも第3巻。パロディ要素がなんかえろげー方面に傾いてません? 作者何か吹っ切れたのか? 出版社ネタもギリギリ攻めてるというか、これ、たとえばドラマCD化したりアニメ化したりしたらやばいっすよね(笑)

そんな感じでやってることは変わらないけれど、背後で動いていた《企業》、《スタッフ》と、我らが生徒会の面々がいよいよクロスするときが来たのか? 果たしてこの仕掛けが次巻でどんな展開を見せるのか、まぁ、きっとゆるーいお話で煙に巻かれてしまう気がしますが。

微妙にシリアス要素を入れてますけど、基本、本編部分の各章は気が抜ける展開でゆるゆるですね。そこが、本シリーズの味ですが、この先どんな決着見せることやら?

hReview by ゆーいち , 2008/07/27

生徒会の二心──碧陽学園生徒会議事録2

stars そんなわけで。今日も生徒会は、何もしない

何もしないのが仕事の生徒会。まったりとユルい時間を、今日も今日とてだらだらと過ごす面々。そんなとき、鍵のハーレム構想を根幹から揺るがす来訪者が。生徒会顧問を名乗る彼女は、教師の権力を笠に、横暴な決定を伝える。今、碧陽学園生徒会に最大の危機が迫る! 迫るんだってば!

ジャンプネタが多いなあ(笑) 読者層をその辺に想定しているのかな。後は、自虐ネタも。4巻で主人公が死んだラブコメって、前シリーズのことじゃないですか。そして、何気に新登場の顧問の先生は、そちらからのスピンオフだし。そうすると、時間の経過がある程度分かってきたり? まぁ、その辺の伏線というか裏設定というか、あんまり気にする必要ないでしょうけれど、この作品の場合。

てなわけで、今回もただひたすらに生徒会室で駄弁るだけの短編集が延々一冊続いております。相変わらず、後半に取って付けたようなシリアスモードが挿入されるけれど、そこは彼女の場合は、それすら演出として仕掛けてそうだから油断なりません。真相や如何に?

プロローグ・エピローグがまた外部の語りで始まり終わってるけど、次巻以降その辺の動きがあるみたい。何か驚きのギミックがあるのか、はたまた、うそぴょーんで脱力させるのか、あるいは投げっぱなしで全く別の展開に突入してしまうのか。はてさて……?

hReview by ゆーいち , 2008/04/23

生徒会の一存──碧陽学園生徒会議事録 1

stars 駄弁る駄弁るただそれだけ 何この和み空間!?

碧陽学園の生徒会役員は人気投票で決められるという独自性のせいで、美少女揃い。そこに学年1位の優秀者にのみ与えられる特待枠を利用して、副会長の地位に就いたのは主人公・杉崎鍵。誰もが美少女羨む選り取り見取りの理想郷。これは、公然と全員攻略でハーレムを作ると宣言した鍵の、愛と笑いに満ちたお話だったりそうでなかったり……?

バカだ!

プロローグとエピローグにメタ的な構成を思わせる部分を持ってきてるけど、そこに意味を見いだす価値があるのかどうかが怪しくなるくらいの、ぬるい展開。や、展開しないです。ただただ生徒会室で、ロリ先輩な生徒会長・桜野くりむが言い出したあれやこれやについて雑談をする、それだけの短編集。

前作『マテリアルゴースト』でも、主人公とヒロインズの日常の掛け合いは、テンション高くてやたらと楽しかったんだけれど、本作はそれをさらに突き詰めてきてる感じ。他の出版社を敵に回しそうなギリギリなネタをこれでもかと持ってきてるけど、いいのか富士見書房、いいのか編集者? ネタ的にディープなものもあったりするので、そこら辺が理解できないと置いてけぼりを食いかねない突っ走りっぷり。や、普通に分かってしまう自分もどうかと思いますが。

ギャルゲテンプレートなキャラクター設定と、萌え要素をこれでもかと設定した生徒会ヒロインたち。話の基本的な部分が、どうしようもなくライトで、どっかで見たような学園もののギャルゲ。本当に、会話だけで1冊終わってしまってどうしようかと。そして、それを普通に面白く感じてしまってしまってどうしようかと(笑)

すでに2巻、3巻の刊行も確定してるっぽいですが、今後はさらにギャグ方面に特化していく模様。このだらけた感じの展開を、どういう風に盛り上げていってくれるのかも楽しみですね。下手するとそっぽ向かれかねないテーマなだけに、どう料理してくれるのか?

登場人物の過去に、何やらシリアスなものを匂わせてますけど、それすらもネタだったりしたら笑えます。むしろ、そっち方面に逃げようとして、真面目なストーリーが生まれてきたら興ざめかも。メタ展開を、高度な構成に使うんじゃなく、それすらもギャグの道具として使って、どうしようもなく緩くて笑える日常をだらだら続けてくれるのも、また面白いと思います。

しかし、邪気眼ネタとか、かなり自虐入ってないですか? そして、そこを口絵に持ってくるセンス最高(笑)

hReview by ゆーいち , 2008/01/24

マテリアルゴースト〈5〉

stars 祝 完結! 帰宅部面々の掛け合いはもっと見ていたかったなあ

4巻の衝撃的な引きからどんな風に完結させるか期待半分不安半分だった本作。

蛍の喪失という誰にとってもかつてないほどの大きな痛手を誰もが引きずり、それぞれがそれぞれの方法で彼を悼み、代償行為や逃避、気丈な振る舞いをする中、それでも世界は何事もなかったかのように流れていって。

帰宅部の面々のそんな痛切な内心の描写と、神無の家の深螺や新キャラの雨森、鏡花の奮闘ぶりを交互に描きつつ真相に至る展開。上手いこと時系列を混乱させられてまたしてもしてやられた感ががが。
予定調和的なシーンではありましたが、自ら閉じこもっていた殻を破った先輩のしおらしさは破壊力が高し。これまでの影の薄さを、前巻である『マテリアルゴースト 0』と本巻で一気に挽回した感じ。いいですな。

そんなこんなで、それまでの重みを吹き飛ばす中盤の盛り上がりは非常に気持ちが良くて、やはり作者の真骨頂がこういった軽快なツッコミ溢れる会話で発揮されているなあと、楽しみながら読み進めていけます。死にたがりから解放された蛍のプレイボーイっぷりったらもうッ!! これなんてエロゲ?

なんとも楽しくてにぎやかで、どこまでもいつまでも続いてしまえばいいと思えてしまう楽園のような空間。
そこから外れることを選んだのは、その時間と空間を誰よりも愛おしんでいたはずの蛍とユウで……。

ラスボスたるタナトスとの決戦は、まさに決死の思いで臨むはずのものなのに、蓋を開けてみたら正直拍子抜け。どうも、ボス格のキャラの脅威とか強大さとか、危機感とか、そういったものが希薄であっさり片付いたなあと印象。その実、タナトスの目的が……というのは意外といえば意外ですが、正直この終盤の展開は惜しいなあと。すでに中盤で最高潮に至ってしまったが故に、本来のクライマックスシーンが消化試合風に感じてしまいました。

逆に、エピローグは帰宅部の面々の成長とかを描き過ぎた時間の確かな実感を持って、終わってしまうという寂しさを静かに湛えつつ綺麗に閉幕したなという感じ。誰もが臨むような、大団円的なハッピーエンドの形ではないけれど、かつての死にたがりだった式見蛍という人間が、様々な出会いとか、別れとかを経た先に辿り着いた終着点としては、この上なく暖かで眩しい場所だったのではないかなと。彼の物語としての本作の結末は、寂しいけれども、決して悲しいものではなかったと思えます。

しかし、惜しい。この気持ちいい空気にもう少し触れていたいという思いもまた事実。願わくば、語られなかった時間の補完を、短編集か何かの形で希望したいところ。あとがきとか作者ブログを見ていると、本作絡みでもう少し何かありそう? 期待しつつも、無事に完結されたこの作品におめでとうとありがとうを。

hReview by ゆーいち , 2007/05/24

マテリアルゴースト〈5〉
マテリアルゴースト 5 (5)
葵 せきな
富士見書房 2007-05

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