ぼくのご主人様!?〈3〉

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stars 身分違いの恋路 何処までも遠くて近い想い

佐倉家の当主として、学業よりも事業に専念するために真琴が主催したパーティが開催される。ケガにより執事としての仕事をこなすことができなくなった東金氏に代わり、新たに着任した雅成は挙動不審。またしても現れた入れ替わりの人物。そして、かつて千広に言われた言葉を引きずる吉香は、真琴との叶うことのない関係を、もう一つの世界での思い出をよすがに諦めきれず、けれど苦しみ続けていて……。

入れ替わりの事件の起こりも、3度目になればインパクトも薄れ、されど物語性は随分と上がっている感じ。
ストーリーの焦点が真琴と吉香の身分違いの恋の行方に絞られて、そこに関わってくる人々が障害となったり、助けとなったり。これまで頑なに主人と侍従という関係を維持し続けてきた真琴の態度も、シリーズを通して随分と分かりやすくなってきたものです。新キャラとして登場した雅成の世話をする吉香と彼のスキンシップに在らぬ誤解を抱きかけてきつく当たったり、どうにも自分の気持ちを表に出すのが苦手な彼ですが、夜の噴水前で良い雰囲気になったり、思い出の品を探し当てて束の間の童心に返ったりと、年相応な面も見ることができて、これまで抱いてきた当主としての彼のイメージが変わってきたように思います。

身分が違うという、その世界においては絶対的なまでに違う立場の二人が、人知れず、あるいは互いがそう望んでいないような形ででも逢瀬を重ねて、想いを確認し合うようなシーンが多くて、じれったくも純粋でひたむきな想いと願いが感じられます。
どう考えても相思相愛なのに、互いの立場を重んじるような中途半端に大人な考えを持っている真琴と吉香が、ようやく辿り着けた結論は、困難でも着実に一緒に歩んでいける道なのかなあ。明確に作中で語られてはいないけれど、二人の結びつきは一層強くなった感じ。

描写の派手さとかはなく、全体的に落ち着いた雰囲気で進む物語だけれど、だからこそ、このふたりの恋物語は、しんしんと降り積もって周囲を白く染め上げた雪のように清廉で、美しく思えるのです。

hReview by ゆーいち , 2007/07/22

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