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葉桜が来た夏〈3〉白夜のオーバード

stars だいじょうぶ、葉桜はなんにも心配しなくていい。わたしがあなたをまもるから。

アポストリの本拠地である<十字架>付近に浮かぶ多景島を、社会科見学で訪れた学と葉桜たち。そこでふたりは、金色の髪をした謎の少女と出会う。白夜と名乗る彼女は葉桜の名を呼び、葉桜は彼女の姿を見て驚きを隠せない。正体の判然としない白夜を、葉桜は懸命に守ろうとし、理由を語ろうとしない葉桜の態度は、学に不信の芽を植える。彼女が白夜にこだわる理由は、そして、白夜の正体は……?

学と葉桜が巻き込まれた事件の背後にある、アポストリと日本政府の政治的なやりとりは相変わらず。彼らのあずかり知らないところで、事態は静かに進行し、そして手遅れになった時点でふたりに襲いかかる、今回はそんな事件でしたね。

かつて葉桜が学の目を覚ますために一喝したように、今度は学が彼女の目を覚まさせてやる番。今まで過去に拘泥し、亡くしてしまった肉親のために生きてきた学と、ちょうど合わせ鏡のようになった今回の葉桜。大切なひとの死を受け入れるために、超えなければならないハードルは高くて、そして容赦ない命の選択を迫られたときに葉桜が出した答えは、学にとっても、読者である私にとっても、安堵を生むものでした。

これまで使命に支えられ、自分を叱咤し生きてきた葉桜にとって、学に出会ってから初めての挫折ともいえる今回の事件。そして、自分の弱さを見せ、それでも学とともに、いつか訪れる別れのときまで共棲という歪なシステムに従って生きることを選んだ葉桜に、これから本格的な脅威が訪れようとする引き。もう、存在忘れかけてた水車小屋が、本格的にアポストリに対して宣戦を布告するのか、あるいは、人知れないレイヤーで政争を仕掛けてくるのか。

アポストリ内で未だに政争の火がくすぶっている現状、さらに外部から圧力が加わったときに、あっさり瓦解してしまいかねない弱さが鮮明になってますね。その境界に立っているっぽい、学や葉桜がまたしても巻き込まれることは必至で、その立ち回りがこれまたふたつの種族の未来を大きく左右しそうな展開になってきましたね。

hReview by ゆーいち , 2009/02/22

葉桜が来た夏〈3〉白夜のオーバード
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