Home > Tags > 鈴見 敦
鈴見 敦 Tag Archive
魔女の生徒会長〈5〉 ママはあなたが嫌いみたい
生まれてきてよかったわ。この世界にね。毎日が楽しかったわ。この学園でね。すべては陰謀だったけど、ありがとう、お母さん――あなたの娘は、幸せだったわ。
魔法の解けたシロオは、再会を果たしたミミクロと共に自分達に向けられた悪意の正体を知るために学園を出て旅をしていた。子ども時代を過ごしたかつての我が家を訪れたシロオは、しかし、そこで連続通り魔事件の犯人として捕らえられてしまい……。
俺たちの戦いはこれからだっ!
ってな調子で大団円にまで一気に持っていったなあ。力業だとか、最後の最後でさらに風呂敷広げて見せたとか、別に前巻で完結していても良かったんじゃねとか思いつつの『魔女の生徒会長』完結編!
晴れて再会を果たしたミミクロとシロオ。魔女の生徒会長という役柄から解放され、世間の仲むつまじい男女のように甘甘な関係を楽しむ暇もあらばこそ、不穏な動きを見せていたシロオの妹とママが、ついにその目的を明らかにしてきて……。
って流れは日日日作品には良くあること。そういえばアンダカもそんなノリで見事な大団円に持っていったような気も。さすがにボリュームの面からするとやや食い足りない感じがして、特に後半の最終決戦などは前巻の総力戦のイメージが鮮烈だったせいか、ラストバトルにしては燃え成分がもうちょっとほしかったなあと思いつつも、シロオのみんなを思う言葉と、彼女の背を押すみんなの言葉の描かれには、少年漫画らしいノリが存分に感じられたりしましたね。
徹底して大人というものの存在を設定の影の部分として、子どもたちが自分たちの世界を築き、守り、成長していく過程を描いてきたストーリーの最後に登場した唯一にしてすべての元凶である大人。そんなたったひとりの大人も、その背後にある大国の傀儡にすぎず、今後子どもたちはさらなる過酷な状況にさらされハッピーエンドはまだ遠そう。
けれど、シロオが幼い頃思い描いた世界は少しずつ近づいてきているし、周囲の大人がどう言おうとも、彼女の友人や大切な人たちが、シロオがなりたかった存在にすでになっていることを全肯定してくれるという、小さな世界にあふれる幸せ。
まだまだ戦いは終わらない。始まったばかりの、子どもたちが新しい世界を作るための大人たちとの戦いの果てにあるものが、これまで流した血と涙で染まらない輝かしい未来であることが感じられる終わり方でしたね。
なんだかんだで気持ちの良い終わり方を用意してくれたなあ。良かった良かった。
hReview by ゆーいち , 2009/04/11
- 魔女の生徒会長V ママはあなたが嫌いみたい (MF文庫J)
- 鈴見敦
- メディアファクトリー 2009-03-25
- Amazon | bk1
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
魔女の生徒会長〈4〉絶叫メリーゴーランド
泣かないでよシロちゃん。俺も泣きやむから。がんばるから。
帝都世紀末学園の次期生徒会長の選挙が迫る。現生徒会長である魔女・シロオは、次期も学園の頂点に君臨するべく再選を目指す。シロオが提案した選挙の方法は戦って戦って戦い抜いて最後に立っていた者が会長となるバトルロイヤル! 『汚染区域』D校舎で開催される選挙に、うっかり紛れ込んでしまった恋塚ミミクロは、そこで『悪魔の双子』と呼ばれるふたりと出会って……。
物語の大きな転換期となりそうな第4巻。シロオにかけられた魔法が解け、ようやく彼女が望んでいた願いが叶うお話。暴力の嵐に巻き込まれつつも、自分の役目をしっかりと果たしたミミクロは、今回のお話では傍観者ではなく、まさに主役でしたね。
超人オリンピックと称しても違和感のない、この生徒会長選は割と駆け足。ってか、16人のタッグトーナメントやったりしたら7試合描かなきゃならないわけだから、このすっ飛ばし方はアリっちゃあアリですね。耳寺ジュリエットと愉快な仲間たちの見せ場が久々にありましたが、やっぱり巻が進むと、キャラの性格変わってるような気がするんだよなあ。あと、なんだかやたらとパロディネタが多かったような。わかりやすすぎるだろう、『パンツじゃないから(略)」とか。
そして、後半では舞台となったD校舎と、そこに隠された事実とかは相変わらず毒が強いなあ。容赦ないようだけれどあんまり悲壮感がなかったかも。『悪魔の双子』の生き様とか、その前に積み上げられていた命の重みとか、それを語る前にラスボスボコってしまったからなあ。
で、シロオとミミクロの初々しいやりとりにニヤニヤしつつ、けれど、ふたりの前にはまだ真なる敵が立ちはだかりそう。シロオの家族の歪んだ思いが、これからどんな形でふたりの障害となってくるのやら。エピローグは衝撃的だったし、これでようやく、シロオが犯したと記録されている罪の真相が見えたような気がしますね。
hReview by ゆーいち , 2009/01/22
- 魔女の生徒会長〈4〉絶叫メリーゴーランド (MF文庫J)
- 日日日
- メディアファクトリー 2008-12
- Amazon | bk1
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
魔女の生徒会長〈3〉 案山子たちのグランギニョル
恋塚くん、ごく当たり前の世界では万能無敵な魔女も、御伽噺の世界では簡単に死んじゃうんですよ。
C校舎、通称『魔界』の総代表・断花シャムが、生徒会に事件の解決を依頼してきた。C校舎の生徒のみを狙った連続首斬り殺人事件。それは、かつて魔女の生徒会長・シロオが解決することができず、敗北を喫した『みんなの友達』事件をなぞったかのようで。事件の犯人と思しき『怪獣』の正体を突き止めるべく、シロオはC校舎へ赴く。
ああ、胸くそ悪くなるお話だったなあ。C校舎がなぜ『魔界』と呼ばれるのか、AからDまで分けられた校舎に集められた生徒が、どういった理由で振り分けられるのか、その理由が醜悪というか、悪意しか感じないというか、事件の顛末と合わせて、気分の良くないお話でしたね。
書記のドロシー先輩がC校舎出身であること、そして未解決だった『みんなの友達』事件の関係者であることから、今回の物語に大きく関わっていることは容易に予想できたんですが、最終的に明かされた真実というのは、想像の斜め上を行った残酷なものでしたね。
にしても、その重ねた罪の大きさというのは半端ないものだと思うのに、最終的には許されるという展開にさすがに違和感を禁じ得なくなってきましたよ。まぁ、作品の舞台が、それを許容している感じもあるので、それを気にしすぎたら負けなのかも知れませんが、数十人単位で殺人を犯して、けれどその後も学園生活を続けられるという、その歪んだ世界観こそが怖いですね。
次はD校舎が舞台でしょうか。第1巻ですでに語られている、未来におけるシロオの暴虐の理由が明かされるまで、もう少し?
hReview by ゆーいち , 2008/08/09
- 魔女の生徒会長 3 (3) (MF文庫 J あ 2-9)
- 日日日
- メディアファクトリー 2008-07
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
魔女の生徒会長〈2〉 超悦者ジュリエット
魔法合戦と洒落こもうか……魔法の存在しないこの世界で!!
『無法地帯』B校舎に新たなる秩序を築くために、シロオは(思い付きで)「B校舎最強決定戦」の開催を宣言した。恐怖の対象として君臨するシロオの勝利が確定するかに見えた戦いは、しかし、彼女の喧嘩の師であり、先代・魔女の生徒会長である、耳寺ジュリエットの参戦で、混迷の色を深めていく。
相変わらず、さらりと外道な展開を紛れ込ませつつも、最後は綺麗に締めてくれています。展開的にそりゃないだろ、とか、普通死ぬって、とか思ってしまいますが、なんというか、この世界の人間はちょっと違うみたいなので、きっと気合いと根性で何とかなるんですね。
シロオが目指す、魔女への道が、彼女の妄想でしかないのか、いつか現実となりうるものなのか、それは分かりませんが、彼女の目的と、彼女の視界の外で彼女を支えようとするミクロの願いが一緒であるなら、いつか叶うのかなあ。
しかし、どこかで見た展開が続くと先が読めてしまうかな。日日日自身の作品とも被る部分が多いんで、マンネリ感は否めない? 前巻のエピローグで語られた絶望的な結末が、この真っ直ぐなシロオたち生徒会の面子によって迎えられるのか、それは気になるのですが。
hReview by ゆーいち , 2008/03/13
- 魔女の生徒会長2 超悦者ジュリエット (MF文庫 J あ 2-8)
- 日日日 鈴見敦
- メディアファクトリー 2008-02-21
- Comments: 0
- Trackbacks: 0
魔女の生徒会長
ヤツに逆らうことは死を意味するッ! これが世紀末学園生徒会長・剣シロオだッ!!
正義を任ずる生徒会長・剣シロオは生徒たちが健やかに学校生活を送ることができるよう、生徒会活動に余念がない。「魔女」と呼ばれるほどの、ある意味理不尽なまでの暴力による鉄拳制裁が主だけれど。曰く、「生徒会長には逆らうな」。唯一にして絶対の不文律を身をもって味わわされた不良は遅まきに自覚する。
そんなある日、エリート揃いの「天国」──A校舎で刃物沙汰。苛められている少女はオセロ、苛めている少女はニケ、オセロをニケから守ろうとする少年はケルビム。ニケとケルビムを問答無用で蹴り倒し、結果オセロを助けたはずのシロオは、逆に彼女から責められて。何やら複雑な事情があるようで……。
MF文庫Jの前シリーズである『蟲と眼球』シリーズは、まぁ、悪意だらけの気持ち悪い世界だったけど、今回は少し前向き。狂乱家族とアンダカを足して2で割ったくらいの雰囲気。やってることは勢い任せの勧善懲悪、ただし独りよがり、みたいな。
シロオと、語り部となるミミクロは、かつての幼なじみで、今はとある事情からミミクロはシロオに存在を認識されることのない関係に。文字通り生きながら幽霊として生徒会に身を置くミミクロは、シロオを見守り、時には一方的に諫め、まるで贖罪のよう。
登場人物の境遇も、語られたもの語られなかったもの、いろいろあるけどやっぱり基本はなにがしかの欠損を抱えてそうな人々。今回の事件の中心となったオセロとニケ、ケルビムの関係はどうしようもなく手遅れになっていそうでありながら、最後の最後で一線を守り通した感じで、こういうラストは切ないけれども多少の救いがもたらされている感じで、悪くないです。トンデモなバトルは、ハッタリ半分と作者も言ってるし、深く考えずに漫画的バトルということで納得。
冒頭のプロローグが、また、衝撃的で、作中のシロオの活躍を見ると何があってそうなるのか、非常に気がかりなんですが。文字通りのバッドエンドへ直行してしまうのか、あるいは一発逆転の大団円を目指すのか。作者が作者なだけに一筋縄でいくような甘い物語ではなさそうですが、これからの行く先が楽しみな物語でもあります。
hReview by ゆーいち , 2007/11/15
- 魔女の生徒会長 (MF文庫 J あ 2-7)
- 日日日
- メディアファクトリー 2007-10
- Comments: 0
- Trackbacks: 2
Home > Tags > 鈴見 敦
- 応援中
- サイト内検索
- フィード
- メタ情報
- 56 queries.
- 2.998 seconds.
