あの日々をもういちど

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stars う~ん、ちょっと期待しすぎたかな

妖魔が跋扈する時代。水際の剣士・流がその身とともに強大な力を持つ鬼を封じてから400年。封印が解け、流が見回した世界は一変し、守るべき人も、村も何もかもがなくなってしまっていた。自らの存在意義すら失われてしまった現代にあって、彼の前に再び現れたのは、かつては姉と慕い、そしてどうしようもない理由から憎しみを向けられることになってしまった土地神でもある妖狐・夕凪で。

かつて守れなかったもの、これから守っていくもの。400年という取り戻しようのない時間を経てしまった流の苦悩や絶望が、彼の視点であったり、あるいは過去の幸せな時間でもって語られ、重さを感じさせます。
時代の変化について行けず、剣を振るうという自身の価値を現代において見いだすことができなかった流が、同じ時間を過ごした夕凪と再会し、互いを傷つけ合うことしかできないながらも居場所を見つけていくまでの物語。なんともお約束な感じではありますが、挫折と再起というのは燃えるものがあります。

まぁ、作品自体が設定のスケールの大きさと相反する感じで小粒にまとまっている感じで、流と夕凪の関係とか、妖魔らとの戦闘描写とか、そういった部分も深く深くじっくりと描いている感じはしなかったかなあ。過去の流と、義理の妹・茅乃とのやりとりとか、流の根幹を築いていた部分の描写が足りない感じ。それは夕凪との関係にも言えますが。

健速作品としては、初めて触れたものが『遥かに仰ぎ、麗しの』本校系シナリオで、その作風に非常に惹かれたものですが、本作においてはそんな部分がなりを潜めていて、私が期待していたのとはちょっと違った感じの作品に仕上がっていたのがやや残念。氏のテキストはゲームという媒体で、絵や音声を伴って映えるのかなあとも思いました。
あとはイラストがいまいち……。妖魔の作画とかかなり手抜きに見えて、脅威とか伝わってこなかったからなあ。

hReview by ゆーいち , 2007/08/05

あの日々をもういちど

あの日々をもういちど (HJ文庫 た 3-1-1)
健速 双
ホビージャパン 2007-08-01
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3 Trackbacks to あの日々をもういちど

Alles ist im Wandel
Alles ist im Wandel 2007年8月6日 at 23:58:06

あの日々をもういちど…

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ちょいヲタ?バスタア日記
ちょいヲタ?バスタア日記 2009年1月18日 at 20:56:34

時を越えた恋愛 「あの日々をもういちど」 [健速]

おもしろかったーっ!「かにしの」の本校シナリオの人と言うことで、 かなり意気込んで買ったはずなんです

ちょいヲタ?バスタア日記 – 時を越えた恋愛 「あの日々をもういちど」 [健速]

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3 Responses to あの日々をもういちど

  1. ああ、ゆーいちさんもそういう評価になりましたか。
    私も早い時期のレビューだったので冷静な評価は他の人に預けたような所はあるのですが、全体的に駆け足な気がするなあとは思いましたですよ。
    書きたいことが多すぎたのか、あるいはスリムにすべきところをふくらませすぎたのか、微妙な印象ではありますね^^;
    とりあえず次は「そして明日の~」に期待ですか。

  2. 「化物語」はいいよ!個人的に去年の一押しです^^

  3. >紅茶さん
    どうも新刊の消化を優先してしまって、既刊の積ん読は増える一方。『ウィザーズブレイン』とか『ルナティックムーン』とか都市シリーズとか。これだけで20冊以上あるなあ(^^;
    化物語は2巻だけなのでさくっと読んじゃいますかね!

    順番逆になりましたが(^^;
    圧倒的に分量が足りないんでしょうね。かにしのの場合はテキストの総容量が4.4MB、1キャラあたりにしても単純割りで700KB強と、文庫2~3冊分のボリュームなわけで、そのボリュームがあってこそのキャラの掘り下げだったりするのかなあと。文章だけで表現するのならなお言を尽くすべきだったのかなとも。過去編と現代編みたいな分冊構成だったら、あるいはこの駆け足感も薄らいだのかなと。

    そんな意味では『そして明日の世界よりー』にはかなり期待ができそうな。原画の植田亮もなかなかよろしい感じだし。
    ま、そのまえにこなかなもやらないとかなー。