学校の階段〈8〉

2013年4月18日

stars 僕はね、今度のレースでちょっとした賭けをしているんだ

階段部の山上桔梗院との再試合が決定した。初のアウェー戦に燃える階段部の面々。そんな中、山上の波佐間は自らに科せられた宿命にどう向き合うか、それを幸宏とのレースの中で見出そうとする。他人を寄せ付けず、仮面を被り自分を隠し続ける波佐間。彼を案じる水戸野の助力も得、幸宏は決戦に向けて練習を積んでいく。新生徒会長と階段部、二足のわらじを履いた幸宏の最初の決戦が迫る。

超然としたキャラという印象があった、波佐間を擁した山上桔梗院との一連の試合も、これで一段落といったところ。子どもに背負わせるには、この作品の雰囲気的にはやたらと重い背景が、波佐間にはありましたが、なんともあっさりと解決したような、してないような。まぁ、実質、彼自身の戦いが始まるということなので、ようやくスタートラインに立ったとも取れますが。

生徒会長としての幸宏は、他の役員が御神楽派の女生徒に多数を占められているので、今後の生徒会運営では苦労しそうですね。幸宏の性格が、むやみやたらと有言実行を貫こうとする、こういった組織においてはかなり暑っ苦しいものなので、対立派との間に立つ、あやめさんの手綱の握り具合に期待がかかる? なんか、すでにフラグ立ちきって、影ながら支える内助の功が発揮されてますががが。

にしても、幸宏自身の秘められた力(?)はどうなんだろうなあ。刈谷先輩が問いかけた言葉からすると、それは先輩が目指す世界への第一歩でもありそうなんだけれど、妙にスケールが大きくなってないですかね。神庭父の登場も、今後の伏線となるのか、また、幸宏に想いを寄せる女性陣との恋愛模様とか、彼の先行きにはまだまだ難題が山積してそうな雰囲気です。

hReview by ゆーいち , 2008/03/30

学校の階段8

学校の階段8 (ファミ通文庫 (か8-1-8))
櫂末 高彰 甘福 あまね
エンターブレイン 2008-03-29