さくらファミリア!

2008年7月22日

stars 家族を助けに行くのに、なんでそんなにいっぱい言い訳並べてあきらめなきゃいけないの?

祐太の父親が失踪したのと入れ替わりに、住人が一気に増えた。ひとりは聖少女、ひとりは聖少女、ひとりは大天使、ひとりは大魔王。冗談でも頭がおかしくなったのでもなく、事実なのだから手に負えない。そして、2000年来の借金、締めて3億円強を祐太は背負い込むことになってしまう。返す当てもない莫大な借金、地味に効いてくる取り立ての嫌がらせの中、にわか家族となった祐太たちの奮闘が始まる。

[tegaki]ノリが軽いなオイ![/tegaki]

とても、『死図眼のイタカ』の次に刊行された作品とは思えない(笑) 新境地というか、ノリ自体は杉井光のそれなのだけれど、変なところでダークサイドに突き落とすことなくひたすらテンション高いまま最後まで駆け抜けた感じですね。掟破り的なメタ展開とか入れちゃって、良くまあ、これこのまま通ったなあ、いろいろ敵を作りそうな感じですが。

過去に作った借金が原因で、祐太の家にやっかいになるのは4人。双子の聖少女・エリとレマ、大天使・ガブリエル、大魔王・るーしー、とこの設定がどれだけ無茶かって、過去に借金って前世のからも取り立てるのかよと、突き抜けまくってますが、そんな彼女らと同居することになった祐太のドキドキ生活はお約束万歳。いつもよりサービスシーン多目でお送りしております。眼福なり。

終盤なんか取って付けたような展開で驚きつつもネタ晴らし方に苦笑し、ああ、こんなノリの作品なんだなあと理解した段階で終劇。問題、何も片付いてないんですが、ラブコメのノリで今後もやってくれるのなら万々歳。個人的には、ダークなノリの杉井作品が好きですが、こういうラブコメ特化した作品もなかなか楽しめましたので、やっぱ好きな作家なんだなあと再認識です。

しかし、これ、ネタ的にかなり喧嘩売ってる気がするんだけれど、いろいろ大丈夫なんですかねえ……?

hReview by ゆーいち , 2008/07/20

さくらファミリア!

さくらファミリア! (一迅社文庫 す 1-2)
杉井 光
一迅社 2008-07-19