ラノベ部〈2〉

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stars 現実の主人公っつーのはね、神様とか作者とか運命とかに勝手に選んでもらうんじゃなくて、自分でなるもんなのよきっと多分。

軽小説部――通称『ラノベ部』。浅羽美咲の決意表明を聞かされ、幼なじみの竹田龍之介は半ば強引にその設立の手助けをさせられる。特にラノベに興味もなかった竹田だが、美咲の協力を断れるはずもなく……。文香が入部する一年前、ラノベ部設立にまつわるエピソードがついに明かされる。そして、ラノベ部に新たな部員入部の気配が……。

読めば読むほどラノベが好きになる、かも?

新キャラも登場、そしてラノベ部の設立エピソードの裏に隠されていた、美咲と竹田の恋の行方がまたほろ苦くて、けれど素敵なお話で、ライトノベルを題材にしたメタ小説、なんて売り文句がなくても、日常系の物語として十分以上に楽しめますね。

もちろん、ラノベを読み込んでいるような重度の中毒者には、昨今のラノベを取り巻くホットな話題を作中のキャラクターの視点から論じて見せたり、特にメタについてのお話についてや、文芸とどっちが高尚? なたびたび繰り返される問題提起など、読んでてうなずいたり感心したりとしきりな部分もあるのが良いですねー。

ラノベ部の面々の日常も見てて楽しいですね。こういう駄弁りができる仲間とわいわいがやがやできる、それだけでも毎日が充実してる、そういう楽しさがこれでもかと伝わってくる内容。そんな中で、文香を中心とした微妙な気持ちの行き交いが生まれ始めていて、特に暦の文香に対する気持ちがなんとも可愛いじゃありませんか。当の文香は天然で空気読まない発言をして暦を見事に籠絡しきってる感じですが、文香は竹田が無意識に気になってる? 一方通行な想いが何方向にも向いてて、割と混沌。

新入部員のリアや、文香の妹の雪華も登場して、どんどんこんがらがっていくこの人間関係。ハタから見ていて楽しいですし、暦の悶々とした様子をこれからも愛でていきたい所存。

そして、今はもう決着が付いているっぽい美咲と竹田の恋の顛末は切なかったなあ。現時点でもお互いがお互いのことを自分以上に理解できてる、けれど、だからこそ恋人とは違った無二の存在としか見ることができない、そうするしかできないというジレンマが痛い痛い。ある意味、恋人以上に近くて、家族とは違った絆で結ばれている、幼なじみという関係は、失恋の痛みが思い出に変わる頃には、素敵なものになっていくのかも知れませんね。幼なじみは結ばれてこそ、と思っていますが、こういう「分かってる」関係というのも、また素晴らしいものですね。

とにもかくにも、ラノベを読んでいるなら一度は感じたことのある「あるある」を楽しげに描いてくれるこのシリーズ、次の巻が待ち遠しいですね。

hReview by ゆーいち , 2009/01/27

ラノベ部〈2〉

ラノベ部〈2〉 (MF文庫J)
平坂 読
メディアファクトリー 2009-01
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