迷い猫オーバーラン!〈5〉本気で拾うと仰いますの?

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stars さあ、巧様、なんでもおっしゃってくださいな。夏帆がなんでもして差し上げましてよ。

クリスマスの騒動で足を骨折してしまった巧が入院した病院は竹馬園夏帆の家・竹馬園グループの系列病院だった。巧の看護で抜け駆け禁止の協定を結んだ文乃たちを尻目に、かいがいしく迫る夏帆。そして新学期が始まり、バレンタインという大イベントを目前に、迷い猫同好会に新たなメンバーが加わる。

嵐の前の静けさを予感させる第5巻。

物語は文乃・希・千世の三人の巧争奪戦の様相を呈してきましたが、ここにきて、さらに物語を引っかき回すトラブルメーカーの再登場。無垢な笑顔と無償の善意で良かれと思って騒動を巻き起こすお嬢さま・夏帆が再び迷い猫同好会に混乱をもたらす!

……なんだか全ての黒幕的な扱いで描かれてますが、夏帆の巧を独占しようとする気持ちと、彼の周囲の関係を弄ぼうとする気持ちがどこまで本気なのかがまだ読めないなあ。自分にないものを持っている同じお嬢さまのはずの千世と、その世界の中心である巧という存在への興味が高じての行動っぽいけれど、彼女が巧を籠絡し、そして手ひどく手のひらを返すことで得られる見返りというのは、また彼女独自の価値観に基づいたものなんでしょうね。その辺が次巻以降の物語の焦点になってきそうですが、どうにも一筋縄ではいかなさそう。果たして迷い猫の皮を被った凶暴な狼なのか、あるいは狼のふりをしようとしているか弱い迷い猫なのか、その正体は一体どちら……?

まぁ、そんな嵐が訪れようとも、ストレイキャッツに集った少女たちの恋の行方の方がもっと気になるわけですが。自分たちの巧への気持ちをもはやお互いに隠そうともせず、自分の恋を叶えることに一生懸命な彼女たち。けれど、それで選ばれなくなった他の少女のことを思うと一気に踏み込むこともできずに現状維持を選んだり、当の巧本人がこの上なく鈍感スキルを発揮してるものだから、察してくれとも言えないというにっちもさっちも行かない状況が、これから一体どう転がっていくのやら。

お話的にはやっぱり素直になれない文乃が、改めて巧に告白するって流れが自然に思えるけど、希や千世だってもはや巧の隣にいられないなんて未来を想像できないくらいに彼にどっぷりと溺れてるような感じだし。誰かと結ばれるにしろそうでないにしろ、その前段階として切ない展開が目白押しな予感がひしひしとしますが、だからこそそんな関係の大変化を迎えるくらいなら協定を結んで抜け駆けなしと決めてしまいたい彼女たちの気持ちも分かったりと、まだまだ先行き不透明な恋模様。

迫り来る嵐の予感、そこで試されるのは、きっとあの場所に集ったお互いの絆。そんな繋がりの暖かさを描いてくれる展開を期待したいですね。

hReview by ゆーいち , 2009/07/04

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お亀納豆のライトノベルまっしぐら

迷い猫オーバーラン!5 本気で拾うと仰いますの?

著:松 智洋 イラスト:ぺこ
「ちょっと苦いけど、でも美味いよ。カカオの香りがいいな」
「ふふん、まあ、ほろ苦いのは当然よ」
「そうね、あえてビターにしたんだけど正解だった

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