ハイスクールD×D 4 停止教室のヴァンパイア

stars 改めて思い知った。俺とこいつはわかり合えない! 俺は部長のおっぱいを倍にすることに夢を感じた! なのにこいつは部長のおっぱいを半分にするという!

やりました!俺、兵藤一誠に二人目の後輩ができました!
魔王サーゼクスさまの命により、リアス部長はもう一人の僧侶の封印を解くことになった。それがその能力が故に超ひきこもりになってしまった一年生、ギャスパー。俺は教育係を仰せつかり、ギャスパーの社会復帰のために一肌脱ぐことに!
そんな中、駒王学園では授業参観を隠れ蓑に、敵対する三勢力の“三すくみトップ会談”が開催されることになる。小さい学園に大天使、魔王、堕天使が勢揃い。こりゃ一波乱ありそうだぜ。友情と熱血と男なら当然の煩悩たっぷりで贈る、学園ラブコメバトルファンタジー迷走。

[tegaki font="mincho.ttf"]二天龍、相まみえる!![/tegaki]

……の前に、順調に一誠にとってのハーレムとなりつつあるオカルト研究会。

存在がほのめかされながらも、未登場だったもうひとりの“僧侶”ギャスパーも登場。副題にも書かれてるようにヴァンパイアハーフなギャスパーは、女装癖の男の娘とか、もうね。いろいろなニーズを満たしすぎでしょう、この作品。ロリっ娘な後輩からナイスバディな先輩だけでは飽きたらず、性別の差さえも超越しようというのか……ッ!

ついでに朱乃さんもデレましたね。彼女自身が忌み嫌っていた出生の秘密を伝えても、変わらずに接し、好きだとのたまう一誠のバカ正直さに心を射貫かれたみたい。割とあっさり落ちたなあとか思ったりしますが、振り返ってみると、おふざけで彼女、何度も何度も一誠にアプローチしてましたし、少なからず想うところがあったのかなあと。殺し文句がなんともシンプルですが、だからこそ、これまで誰も言うことができなかったその言葉。まっすぐに伝えられて、ちょっと近寄りがたかった雰囲気のお姉様も、一気にデレデレですよ、ああ、もう。何これ。主人公を巡ってリアス部長と朱乃さんが嫉妬の火花をバチバチ散らすとかもうね、にやにやなんですが。

そんな感じで、自分が気付かぬ間に、着実に部活の女性陣の心を独り占めして行きつつある一誠。まだ落ちていないのは子猫ちゃんですが、彼女も時間の問題では……?

さて、お話の方もかなり大きな動きが。対立していた三勢力が、このままではお互い消耗していくだけという現状を打破するための和平交渉。三竦みの状態から、お互い手を取り合うという正反対の展開ですが、下っ端の小競り合いはともかく、上の方々は理性的に考えておられたようで。むやみやたらに戦うだけがお互いの本質ではないという、神なき世界での新たなあり方を模索しようという、人間ではない者たちの人間くさい会話。その最後の一押しとなったかのような、本能に忠実な主人公の一言は苦笑ものですが、それでこそ一誠ですよねー。

そのままなら何事もなく平穏無事に幕を閉じることができたのに、そこに現れるのはどこにも与しない戦闘集団『禍の団』。一誠とドライグとは因縁の相手である、ヴァーリとアルビオン。赤と白、二つの龍の因縁の対決がついに勃発! 出自の差からして比べものにならないくらいにヴァーリに劣っている一誠。その絶望的なまでの差を埋めるのは、ただただひたすらにまっすぐな思い。……だけれど、その根底にあるのがおっぱいってのはどうよ(笑) 世界のなにものを失っても、おっぱいが半分になることだけは許さない!! その一念だけで、ヴァーリを圧倒するとかもう、いろいろとおかしいですよ、彼。史上最弱の宿主とか言われたりさんざんな扱いの一誠ですが、こと、特定のシチュエーションにおける爆発力に関しては、あるいは史上最強ではないのかかと思わされるような逆転劇ですね。むやみやたらに暗くならず、重くならず、逆転は爽快に、間違った姿ではありますが、ヒーローものの鉄則に従う主人公の姿は熱いの一言ですね。

そうして、勢力図は大きく一変。和平は実現したものの、あらゆる勢力にとって脅威となる『禍の団』が今度は明確な敵対勢力として登場。最強と呼ばれる龍・オーフィスのもとに集った強者たちに対し、矢面に立ちそうな一誠たちの実力はまだまだ未成熟と言わざるを得ませんね。先生としていきなり赴任してきてオカルト研究会の顧問に収まったアザゼル先生のスパルタな教育のもと、さらなるレベルアップを目指して精進精進!

hReview by ゆーいち , 2010/04/18