MOMENTS
■ Information ■
- Twitter でいろいろつぶやいてます。followはお気軽に。
■ Recent Bookreviews ■
機械じかけの竜と偽りの王子
僕は……。……僕はアルトゥール。フランシスカの兄です。
リュクサリアへ侵攻するオルガンドの襲撃を受けつつも、奴隷のイアンはその場を辛くも逃れることができた。しかし、逃げる最中、偶然にも搭乗し動かすことに成功した
偶然動かすことのできた機体は、王家の血を引く者のみが操れる特別製。そのおかげで、戦争に巻き込まれ、さらには身に覚えのない兄の役目まで押しつけられたイアンの波乱の物語が幕を開ける。
中世的な世界がらも、そこに機巧鎧と呼ばれるロボット的な要素を盛り込んで、なかなかに重厚な展開を予感させる第1巻です。機巧鎧のデザインを FSS の MH っぽいなあとか思ったり。まぁ、大昔に作られたはずの機体が、現行機を圧倒してみせたり、なんだか不思議パワーで窮地を脱したりってのは、ある意味お約束ではありますが。
主人公のイアンは、奴隷として扱われていたせいか、貴族や王家といったこれまでに全く縁のなかった世界に組み込まれようとしても、なんだかビクビクオドオド。政治的な道具扱いされてますが、彼を利用しようと思いついたヴィクトも善意からって訳でもなさそうだし、これからさらに微妙な立場になっていきそう?
そもそも、王国を守るべきトップの人間たちの多くが、自らの功を焦ってたりして、これから反撃しなければならないのに、姫を巡って争ってる辺りが生っぽいというか、そんなんで良いのか、いい年したオッサンどもが。
物語的には、後の世に大きな戦争として語られる戦史のまだ序章の段階。そもそも、双竜戦争というからには、もう一方の竜が出てこないと話にならないのですが、それは誰なんでしょうね。いろいろと曰くのありそうなキャラもいましたが。さらにはエリュシオンが発揮した謎パワーとか不思議要素も詰め込まれて、まだまだ裏設定がありそうです。
hReview by ゆーいち , 2008/11/15
- 機械じかけの竜と偽りの王子 (電撃文庫 あ 27-1)
- 安彦 薫
- アスキー・メディアワークス 2008-11-10
繭の少女と街の防人
俺たちは今、境界を越えて古い理の中にいるんだ。
街の中に存在する、目に見えない「境界」。こちら側とあちら側を隔てるそれは、ときとして迷いを持つ人間を誘い込み姿を消させる。境界を見張る防人としての役目を持つ少年・諏訪守は、美貌を持ちながらも粗野な性格の少女・桜野ミチルから持ちかけられる境界絡みの事件を、解決していく。
なんだか古式ゆかしい雰囲気を持つ作品。悪くいうと、全体的に古くさい感じを受けてしまう、といったところでしょうか。
全体的に説明不足で、守が持つ街の防人としての役割や能力がよく分からないまま話が進んでいって、やや置いてけぼり感を覚えてしまいます。
そして、続刊が前提の構成になっているので、タイトルにもなっている「繭の少女」の紹介がほとんどないまま、この巻が終わってるあたり、消化不良じゃないのかなあと思ってしまいます。
最後のエピソードで、彼女(と彼女に属するものたち)と防人との間の因縁めいたものは感じられましたが、それよりも、そのエピソードで描かれた、境界に関わってしまったひとたちの悲劇的な結末の方がインパクトがあったり、というか、後味悪い終わり方でぐんにょりですね。
あとは守がどうにも冷め切って、さらにはその能力が万能くさいのがなあ。ピンチらしいピンチがなくて、淡々と事件を収束させたり。その辺が盛り上がりが感じられなかった一端なのかもしれません。
hReview by ゆーいち , 2008/11/15
- 繭の少女と街の防人 (電撃文庫 く 1-9)
- 栗府 二郎
- アスキー・メディアワークス 2008-11-10
イスカリオテ
神と子と聖霊の御名において――汝に認証を求める! 我が名は九瀬イザヤ!
亡き兄・九瀬諫也として彼――九瀬イザヤが訪れた街・御陵市は〈
三田誠作品は初めてです。面白かったです。
七つの大罪をモチーフにした化け物、聖人の名を冠し、その奇蹟を科学により擬似的に再現することで戦う力を得る断罪衣、とタイミング的にはこれとは別に似た感じの作品を読んでいましたが、それとはまた違った面白さのある作品でした。
イザヤがなぜ諫也としてこの街を訪れなければならなかったのかは、かつて英雄視された九瀬諫也という存在に頼らなければならないほど逼迫している都市の事情や、対〈獣〉戦の指揮を執るカルロの思惑、そして諫也を兄と慕う玻璃の存在など、様々な理由付けがされています。
が、イザヤが諫也として戦うという選択肢を選んだのは、やはり最初の戦いで出会ったノウェムの存在が大きいのかな。戦うために作られた人形にして街そのものである彼女。ノウェムとイザヤの、他人とのふれ合いを満足に知らないふたりの、ぎこちない生活や、イザヤが餌付けされる(笑)情景、彼の言葉に笑顔を浮かべるノウェム、とそんなやりとりが良い感じです。
一転、〈獣〉との戦いではピンチの連続。十分な迎撃のための戦力に乏しく、直接的な戦闘担当がカルロとノウェムのみという状況で、なぜかイザヤの訪れとタイミングを合わせたかのように襲ってくる強大な敵。なんとも王道的な展開ですが、燃える燃える。敵の目的も、この世界に存在する断罪衣という力の理由も、明かされないことは多いのですが、それを謎としたまま熱く見せる展開に引き込まれますね。
そして、重要な位置づけにいそうな朱鷺頭玻璃嬢の抱えた秘密。物語の冒頭で語られた内容が終盤で大きな意味を持ってきてますね。彼女の抱く九瀬諫也への想いが、過去の本当の諫也と、今の偽物であるイザヤを繋いでいますが、彼女の抱く罪と、語られていない過去の出来事が、これからの戦いのどんな影を落とすのか、それもまた気になるところです。
偽物として多くの人間を騙したまま戦わざるを得ない状況に置かれてしまったイザヤ。彼がこれからの一年間をどうやって戦っていくのか、絡まった想いと、謎に満ちた世界、それらの展開と合わせて期待したいですね。
hReview by ゆーいち , 2008/11/13
- イスカリオテ (電撃文庫 さ 10-5)
- 三田 誠
- アスキー・メディアワークス 2008-11-10
- Search
- Feeds
- Meta












