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幻想譚グリモアリスIV 罪と祈りとほほえみと
さあ、桃原。開戦を告げるゴングは鳴った。正々堂々、騙し合いといこう。 冥府に忍び寄る陰謀の気配を感じながらも、誓護は決断を下す。最愛の妹・祈祝を拉致されたままの誓護は、彼女を取り戻すために千秋たちの軍門に下ること。秘密裏に練り上げた祈祝奪... -
鉄球王エミリー―鉄球姫エミリー〈第5幕〉
さあ!! 逃げ惑えっ!! ヴェルンストの雑魚どもっ!! これがラゲーネンの……『鉄球王』エミリーの戦だっ!! ヴィルヘルミーネ率いる暴竜鉄騎兵を辛くも撤退させたエミリー。しかし、ヴィルヘルミーネはラゲーネン王国最後の砦となる河岸要塞を大兵力でもって包... -
とある飛空士への恋歌〈2〉
いくら神さまが残酷でも、なにも悪いことをしていないわたしに、そんな酷い仕打ちをなさるはずがない。いくら神さまが残酷でも――そんなふうに人の運命を意味なく弄んだりはしない。 遠大な目的のため、終わりの見えない旅を続ける空飛ぶ島・イスラ。カドケ... -
断章のグリム〈11〉いばら姫〈下〉
優しいだけじゃ嫌われることもあるわよ? でもあなたが他人に向けられる厳しい言葉は、〈断章詩〉だけだものね。 外界から隔離され、もはや異界と化した真喜多家。そしてそこで巻き起こる泡禍と生み出された不死身の異形。雪乃を助けに来たはずの蒼衣も為す... -
白山さんと黒い鞄〈2〉
『わたしはあなたを信じている』。――そんなの、なんの意味もないよ。本当に信じてほしいのなら。わたしがあなたを信じていると知ってほしいのなら、行動で示さなくちゃ。口先だけなら、誰でもなんとでもいえるもん。わたし、頭が悪いから、他の人がなにを... -
アカイロ/ロマンス〈5〉枯れて舞え、小夜の椿
ねえ、霧沢くん。女の子が男の子を好きになるのに、理由なんてないのよ。 宝刀つうれんを奪われ、自らの記憶さえもが枯葉を揺さぶる。そんな枯葉を、かつて幼い頃出逢った初恋の少女に重ね、励まそうと奮闘する景介。一方、自身の正体を誰も彼もから欺き続... -
俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈4〉
ようするに――最後の人生相談は、いまもまだ続いている。これからもずっと、続いていくのだ。 「人生相談、次で最後だから――」桐乃のその言葉の真意を問う気にもならず、ただ時間だけが過ぎていく。桐乃を通じて知り合った賑やかな面々に振り回されたり、幼... -
世界平和は一家団欒のあとに〈8〉恋する休日
守るだの守られてるだの、たったそれだけの関係なんて、ちょっと寂しいじゃない? 私たちはお互い様よ。できれば対等の関係でいたいの。 柚島の誕生日が近い。美智乃にそそのかされプレゼントを用意することになる軋人。一方の柚島も、いつも守ってもらって... -
神様のメモ帳〈4〉
それは、なくなったりしない。ただ、人は道に迷うだけなのだ。そう信じたい。だから僕らは盃をぶつけ合い、のろしをあげる。戦いのはじまりを告げるためのものではなく――ただ、彼方のあの人に、この場所を見つけてもらうために。 四代目が手がける音楽イベ... -
ウェスタディアの双星〈5〉乙女の猛攻に名軍師苦戦するの章
だから決めたんだ。もう二度と同じことを繰り返さないために、僕がきみをしっかり見ていようって。 隣国・シャムラバードで発生したクーデター。ウェスタディアに亡命を求めるシャーラ公女を助けたアルファーニは、なぜか彼女に懐かれてしまう。アルをダー...