楽聖少女〈3〉

初オペラの公演失敗で落ち込んでいたルゥのもとに届いたのは、プロイセン王国での再演依頼だった。喜び勇んで楽譜の書き直しを進める彼女の身に、やがておそるべき異変が襲いかかる。……耳が聞こえなくなり始めたのだ。
原因を探るうちに僕が ...
花咲けるエリアルフォース

だから、桜子、きみひとりの戦いだというなら、それでいい。ぼくが――ぼくが、きみの弾丸になる。
戦争で街を焼かれ、家も学校もみんな失ったぼく。東京の中学校に転校する当日、ぼくを迎えに来たのは、桜色に輝く不思議な飛行兵器とその ...
剣の女王と烙印の仔〈8〉

わたしは、何度この夜を迎えようと、おまえを選ぶ。おまえを手に入れること、おまえとともに生きることを選ぶ。何度でも。
“流転する生命”(イノ・モルタ)という最凶の力を引き摺りながら進軍する女帝アナスタシア。その傍ではニコロだ ...
剣の女王と烙印の仔〈7〉

さあ、思い出して。あなたのその名前は、いったいだれに名づけられたかを。
刻印を戴いた王配侯ルキウスをその手にかけたミネルヴァとクリス。ついに二人の想いは繋がったが、次なる途を自分たちの手で切り開くため、別離の決意をした。一 ...
剣の女王と烙印の仔〈6〉

今は確信しています。あなたがたの神々の力はみな、けっきょくのところ、人の心にしか触れられない。どれほどの力であろうと、人の心の中だけに働くものです。ならば――。ならば、人の心は、いつか必ずそれを超えます。
大陸は戦
剣の女王と烙印の仔〈5〉

おまえはここにいるじゃないか。いつもわたしのそばにいたじゃないか。勝手に苦しんだり勝手に死にかけたり勝手にわたしを助けたりっ、したじゃないかっ! お、おまえがほんとはクリスじゃないとか、そんなのわたしにはどうだっていい。おまえがっ、い ...
剣の女王と烙印の仔〈4〉

おまえはわたしの臣下だ。おまえが刈り取る麦、おまえが屠る羊、おまえが掘り出す鉄、おまえが流す血、おまえがかき集める罪、その半分は女王であるわたしのものだ。おまえがそう言ったんだぞ。
プリンキノポリ奪回戦で勝利を収めた銀卵騎 ...
シオンの血族 1 魔王ミコトと千の花嫁

もう逢えないと思ってたとか、そんなことぜったいに言わないで。約束したんだから。きっと戻ってくるって、約束したんだから。破るつもりだったなんて言わないでよ。
AD2016、長く続く世界戦乱の渦中の、帝都東京。皇統を異形の敵か ...
剣の女王と烙印の仔〈3〉

ぼくはもう、おまえの檻なんかじゃない。ミネルヴァのために、這いずり回ってでも生き延びて、戦う。そう決めた。いつかおまえを捕らえて、つなぎとめてやる。おなえなんかに喰われるものか。ぼくは――。
命運を喰らう《獣の烙印》を持つ ...
神様のメモ帳〈4〉

それは、なくなったりしない。ただ、人は道に迷うだけなのだ。そう信じたい。だから僕らは盃をぶつけ合い、のろしをあげる。戦いのはじまりを告げるためのものではなく――ただ、彼方のあの人に、この場所を見つけてもらうために。
四代目 ...