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吸血鬼のおしごと Tag Archive

吸血鬼のひめごと〈2〉―The Secret of the Past

stars レレナじゃない。なにしてるの、こんなところで

夏祭りの夜、レレナと朧たちが遭遇した男は、朧にだけ分かる「臭い」を放っていた。翌日、その場所で大量の血痕が発見された報を受け、朧は男が『貪』との関連があると推測する。青磁とレレナに男を捜させる朧。その最中、行方をくらませていた絵里香を見つけたとの知らせを受け、レレナが向かった先に待ち構えていたのは、忘れようもない彼女だった……。

あああああああ……。

もう、バッドエンド路線まっしぐらじゃないですか。レレナがどこまでも不幸になっていく。前シリーズの面影を引きずって苦悩して生きていくだけかと思っていたら、ここで恐らくはレレナにとっては最大級の爆弾が投下されてしまいました。

帰りたいと願った日々、ともに生きたいと願ったひとたち、そんな思い出の中にある風景を、最悪の形でレレナの眼前に叩き付けるというのは、正直堪えます。表紙を見た段階でイヤな予感はしていたんだけれど、今回だけのスポット参戦だと思ったんだよう……。

もう、朧とクロサキの因縁とか、ふたりが想いを寄せていたマユラの存在とか、新たに登場した『貪』の手駒たる人物とか、そんなのはどうでもいいです。ただただ、これからレレナに容赦なく襲って来るであろう苦悩と絶望に、悲しくなるだけ。

……いや、こういう風にダメージを受けるとは思っていなかったんだけれど、この展開は卑怯すぎる。正直、先を読むのを止めたくなるくらいの、最悪の展開だけれど、けれど、多分次も読んでしまうのだろうなあ。救いのない結末に向かって、進んで行っているのは、もう、恐らく間違いがなさそうですが。

感情的なことを書くと、ホントに、この展開は許せない。彼女たちの、幸せだった日々を、完膚無きまでに穢してくれたので。ただ、先も読むであろう、そんな自分の選択が、何ともジレンマでイヤなんですけどね。作者の狙い通りにハマってるかな、これは……。

hReview by ゆーいち , 2008/03/26

吸血鬼のひめごと 2
吸血鬼のひめごと 2 (2) (電撃文庫 す 5-16)
鈴木 鈴
メディアワークス 2008-03-10

吸血鬼のひめごと―The Secret of Vampires

stars 完結から2年 まさかの続編登場!

大切なひとたちとの別れから2年。時間は優しく、それ以上に残酷に、彼らの面影をレレナの中から薄れさせつつあった。今ではもうぼんやりとした面影しか思い出すことのできなくなってしまった優しい人たちと、今、この場所で自分を慈しんでくれている両親のおかげで、半吸血鬼として生きざるを得なくなった彼女は、静かに、平穏な日々を送っていた。朧と名乗る『主人』たる吸血鬼が、彼女の学校に現れるまでは……。

──まさか続編が出るなどとはお釈迦様でも思うまい。というか、他のシリーズはイマイチだったから、本作が出たとかの理由だったらしょんぼり過ぎる、な『吸血鬼のおしごと』の続編。

前作のラストで、ただひとり取り残されたレレナの回想から始まる本編。最初の2ページでいきなり涙腺やばくなる私はどんだけ思い入れ持ってるんだ。いや、強烈に印象に残ってはいるけれど、そこまでとは思わなかったけれど。名前も思い出せないのに、亮二や舞と暮らした日々だけはしっかり覚えていて、戻らない日々、幸せであったと思える日々がかつてあったという事実に、折り合いを付けきれないレレナがなんとも悲しい。

新しい物語のスタートは、朧という少年の姿をした吸血鬼の『主人』との邂逅から。唯一といっていい友人・絵里香、亮二の面影を重ねてしまった少年・青磁らとの交流。そして、再び待ちに暮らす人々の脅威となりうる化け物 “貪” と、朧と敵対するもう一体の吸血鬼。物語の始まり方は、前作の1巻を彷彿とさせつつも、最初から雰囲気がかなりダークに感じられます。もう、こっち方面で進める気満々なんですかね。

レレナが過去を引きずり、亮二の吸血鬼としての面影を朧に、人間としての面影を青磁に重ね、大切な親友であるはずの絵里香との深い断絶を感じたまま次巻へ続く。謎も残されたままだし、問題も全然解決していないし、今後の展開もなんだかんだで楽しみに思えてしまいます。いや、もう、ダークだろうとなんだろうと慣れてしまえばどんとこいですよ?

hReview by ゆーいち , 2007/12/09

吸血鬼のおしごとSP―The Days Gone By

吸血鬼のおしごとSP―The Days Gone By読了。

過ぎ去りし日々。あぁ、本来ならこういうテイストのお話だったんだよなぁという短編集。まぁ、一部、亮史と上弦の過去話であり、魎月であった頃の化け物然とした彼の姿を見ることもできるのですが。

話的には、物語の方向性が大きく変わったように感じる4巻前後に挿入されるべきエピソードの数々。亮史の隣には舞がいて、レレナがいて、冷めた感じで彼らを眺めるツキがいて、まやかしの同居生活でも、微妙なバランスの上に成り立っていた砂上の楼閣のような儚い生活でも、ここで描かれた時間・会話の中には、少なくとも幸せがあったのだと思われる、そんな追憶の物語。

完結後に読むと、へこみますね。

吸血鬼のおしごと〈7〉The Style of Mortals

吸血鬼のおしごと〈7〉The Style of Mortals読了。

なんというか、富野チックな終幕。死んだり壊れたり、日常に戻れたレレナですら、失ったものの大きさに、これまでのような生活は望むべくもなく。寄り添うべき人たちを亡くしたレレナの、これまでの成長過程そのものが物語の本質であったかのようなラストでしたね。

化け物へと戻った亮史の言動は、あくまで機械的で、すでに彼の主観云々ではなく、事後処理を淡々と見せつけられるような投げやりな印象。舞の喪失の意味の大きさを描くという点では、痛さも含めて悪くはなかったですが、最終的に自らの築いてきた、短いながらも暖かかった生活を一顧だにしない選択を、最終的に採ったことには、これからも納得がいくことはないように思います。

吸血鬼のおしごと 〈6〉The Style of Association

吸血鬼のおしごと 〈6〉The Style of Association読了。

攫われたレレナを奪還すべく『組織』本拠地へ乗り込んだ亮史の戦い、というか一方的な殲滅戦。

その前段の舞の健闘や、囚われたレレナと『組織』側の良心・白宮との交流など、多少息抜きとなる描写もありましたが、他はひたすら重苦しくて疲れます。

喪われてしまった舞の、最期の言葉が、その真意が亮史に届くことが終に叶わなかったのは、結局は人と化け物の在りようが違いすぎるからなのか、人としていきながらも感情に波を立てず、生き続けてきた亮史への痛烈な当て付けなのか。

結局、初めて流した涙の意味も解することなく、本来の姿に戻るしかできなかった彼自身も、また哀れであります。

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