読書感想– category –
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白山さんと黒い鞄〈2〉
『わたしはあなたを信じている』。――そんなの、なんの意味もないよ。本当に信じてほしいのなら。わたしがあなたを信じていると知ってほしいのなら、行動で示さなくちゃ。口先だけなら、誰でもなんとでもいえるもん。わたし、頭が悪いから、他の人がなにを... -
アカイロ/ロマンス〈5〉枯れて舞え、小夜の椿
ねえ、霧沢くん。女の子が男の子を好きになるのに、理由なんてないのよ。 宝刀つうれんを奪われ、自らの記憶さえもが枯葉を揺さぶる。そんな枯葉を、かつて幼い頃出逢った初恋の少女に重ね、励まそうと奮闘する景介。一方、自身の正体を誰も彼もから欺き続... -
俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈4〉
ようするに――最後の人生相談は、いまもまだ続いている。これからもずっと、続いていくのだ。 「人生相談、次で最後だから――」桐乃のその言葉の真意を問う気にもならず、ただ時間だけが過ぎていく。桐乃を通じて知り合った賑やかな面々に振り回されたり、幼... -
世界平和は一家団欒のあとに〈8〉恋する休日
守るだの守られてるだの、たったそれだけの関係なんて、ちょっと寂しいじゃない? 私たちはお互い様よ。できれば対等の関係でいたいの。 柚島の誕生日が近い。美智乃にそそのかされプレゼントを用意することになる軋人。一方の柚島も、いつも守ってもらって... -
神様のメモ帳〈4〉
それは、なくなったりしない。ただ、人は道に迷うだけなのだ。そう信じたい。だから僕らは盃をぶつけ合い、のろしをあげる。戦いのはじまりを告げるためのものではなく――ただ、彼方のあの人に、この場所を見つけてもらうために。 四代目が手がける音楽イベ... -
ウェスタディアの双星〈5〉乙女の猛攻に名軍師苦戦するの章
だから決めたんだ。もう二度と同じことを繰り返さないために、僕がきみをしっかり見ていようって。 隣国・シャムラバードで発生したクーデター。ウェスタディアに亡命を求めるシャーラ公女を助けたアルファーニは、なぜか彼女に懐かれてしまう。アルをダー... -
夜と血のカンケイ。
お、おね――お願い、します。血を飲ませて――、貴方の血を飲ませて下さい。 吸血鬼・夜音がたまたま選んだ少年・陶原健悟の血は、彼女がかつて経験したことがないほどの極上の味わいだった。とある目的のために誰よりも健康であり続けた健悟。彼の血に魅了さ... -
学校の階段〈10〉
神庭幸宏。お前に俺から二つ名を送ろう。『茨の道』を進むお前に、敬意と激励を込めて――。 刈谷との階段レースに敗れた幸宏は、もはや目を背けることなどできなくなった内にある衝動に突き動かされるまま、再戦を望む。しかし、刈谷との再戦に全てをかける... -
戦う司書と絶望の魔王
本当に誰も、僕を止められないのか。本当に僕は、こうするしかないんだろうか。 ルルタは復活し、世界は滅亡の縁に立たされていた。無力化される武装司書たち。そして、語られるのはかつての救世主・ルルタの果てしなく深い絶望と、彼が求める本当の「幸せ... -
紫色のクオリア
だからあたしは、否定しない。だからあたしは、受け入れる。決して彼女の紫の目を、否定はしない。 自分以外の人間がロボットに見えるという少女・毬井ゆかり。そんなゆかりを親友に持つ波濤学は、普通とは少し違う彼女の周囲で起こり始める奇妙な出来事に...