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一迅社文庫 Tag Archive

なにいろアスタリスク!

stars ……今はまだ、原石のようなものかもしれないけど。これから磨いていったらきっと、何色かわからないけど、綺麗な宝石になるよ。チナちゃんだけにしか作れない色の、宝石。

自分に自信がなく人生の意義をやみくもに探し続ける19歳の少女・チナ。新しいことに挑戦しては辞め、挑戦しては辞めを繰り返し、長続きした試しのないチナが、現状を打破するために選んだものは「演劇」。親友の静乃の脅しにも似た忠告の後、訪れた劇団「アスタリスク」で待ち構えていたのは、厳しい練習に打ち込む実力ある先輩たちの中、たったひとりのドシロートという現実。そのまま背を向け逃げ出したくなる状況で、踏みとどまったチナをこれから待ち受けている試練とは……?

戦わなきゃ、現実と!

いやぁ、なんだか読んでいる方も胃が痛くなるような展開が連続して、引き込まれてしまいましたね。主人公のチナの考え方はなんだか共感できてしまうなあ。確かにきつい状況になると逃げたくなるし、けれど、自分だって何かをできるようになってみたいなんて願望を抱くことだってあります。……あれ、それじゃ、まるで私が逃げ続けてるだけじゃないですカー? ソンナコトハナイですよ?

ともあれ、夢を夢見て目標を探して、頑張ることを始める女の子のお話です。全くの未経験者が、いきなり参加した劇団はスパルタを売りにするところで、たったひとりの自主練や、劇団員らの憧れの対象となっている厳しい先輩からダメ出し、さらにはチナを疎んじる一部の団員からの嫌がらせ、と一通りの試練が用意され、さらにそれとは別の場所でも波乱が用意されていて盛り上がります。

前半はそんなチナの意気地のなさとか、うだうだと逃げる理由を探し続ける思考とか、ネガティブな部分にうわあ、とかなってしまうのですが、とあるきっかけを経て、本当に、ようやくに、自分が真剣に打ち込みたいと思えるものを見つけた後のチナのひたむきさは、こちらからも頑張れと応援したくなる輝きを放ちます。

そこに至るまでの紆余曲折は、なんだか少女小説っぽくて、あまりラノベで見ない感じの流れですが、主人公が女の子なだけに、彼女が悩んでいる事柄が割と違和感なく受け入れられたのかもしれませんね。

そうやって、自分が一生懸命になれることを見つけるまでのチナのお話。彼女の周辺にひそかに隠れていた問題が、上手いこと解決して、今度は彼女が劇団の中で自分を磨いていくことができるかどうかが課題となりそうな展開。次の巻の準備もできているということなので、ぜひ一迅社には続きを刊行していただきたいですね。

いやいや、こういう青春ど真ん中で、気持ちの良いお話は読んでてこちらも元気になりますね。

hReview by ゆーいち , 2008/12/06

なにいろアスタリスク!
なにいろアスタリスク! (一迅社文庫 さ 1-1)
桜庭 わかな
一迅社 2008-11-20

羽矢美さんの縁結び

stars 愛原羽矢美、奇稲田姫の巫女の名にかけて、最高の縁結び、してみせるよっ!!

ボク・中嶋真守の幼なじみ・愛原羽矢美は、奇稲田姫を祭る神社の巫女にして、見目麗しき美少女。けれど、彼女にはひとつ大きな欠点があって、誰彼構わずに、自分の直感にぴぴっと来た男女の縁結びを、当人たちが望むと望まざるとに関係なく強引に世話焼きしてしまうのだ。そんな彼女が、苦い失敗をものともせずに次に目を付けたのは、先生と生徒!? いろいろとマズいこの縁結び、果たしてどうなる?

自分の恋より、他人の縁結び。ハタから見ると余計なお世話極まりない使命感に燃える、羽矢美さんの物語。

こういうお節介キャラは好き嫌い分かれそうな感じで、正直私は羽矢美さんのように他人に何を言われても、自分の信念を曲げずに、干渉し続けるっていう行動はなかなかに苦手なのですね。序盤~中盤の彼女の自己中な発言には辟易とさせられたり。

で、彼女は男女の仲を取り持つためならあらゆる謀略を惜しみなく張り巡らせ……ってこんな書き方だとなんという悪キャラですが、その根底には、幸せを願う気持ちがあったりするだけに、憎めないながらもほとほと手に負えないキャラですね。そんなくせに、自分に恋バナが振られるとテレテレで逃げの一手というかわいい一面もあるのですが、まずは自分を何とかしろよとか思わないでもなかったり。

そして、羽矢美さんの隣にいつもいる真守クン。物語は真守クンを通して語られて、そして終盤では結構な驚きの展開に発展するわけですが、いやいや、してやられましたねー。羽矢美さんが取りなす縁結びのお話よりも、同時に進行していたもう一つの物語の方が私にとっては面白かったかもしれません。

hReview by ゆーいち , 2008/12/06

死神のキョウ〈2〉

stars 寂しいと思ったらあたしを呼んで。たぶん……すぐに行くから。

夏休み目前。同居生活継続中の恭也とキョウのもとに、死神見習いのココロがやって来た。キョウを姉同然に慕うココロは、彼女と同棲しているというけしからん恭也に対して攻撃的な態度をとりつつも、ふたりの生活に溶け込んでいく。そんな中、クラスでは序列戦再戦に向けて盛り上がりを見せ始めていて……。

前巻は後半の唐突な暗黒展開に驚きつつも、キョウさんのデレ具合に癒されたお話でしたが、今回はさらに彼女のデレ具合が加速しているような気ががが。

ふたりの同居生活に割り込んできた妹分ココロ。キョウを慕うココロは、恭也がキョウといちゃいちゃしてるのが気に入らないのは当然で、あの手この手で恭也に対して妨害工作をしてみたり。割とシャレにならないようなこともしてますが、やたらとデフォルメされたココロのキャラクターのせいか、コミカルさが先に立っているのと、恭也がそれを割とスルー気味に受け止めてるおかげで、悲惨なことにはなってないですねえ。

過剰なスキンシップを求めるココロのおかげかサービスシーンも増えてますね。ところどころえろげテイスト溢れる描写があって、にやにやできますねえ。なんで、ラノベという土俵でこういう表現見るとドキドキするんだろう(笑) 美味しくいただけました。

とまぁ、そんなラブコメ展開が今巻のほとんどを占めていて、物語が動き始めるのは終盤になってから。序列戦が今回も組み込まれていた理由はちょっと分からないのですが、クラスの男女間の対立が引っ張られてる辺り、学校生活の方ではこれが尾を引いて今後の展開に影響してくるのかな。

一方の非日常な部分、死神との関わりという点では、キョウがかつてなろうとしていた役割を持つ死神になろうとするココロの動向に注目ですね。日常では良い感じに恭也たちとも接することができていたのに、ココロの本来の目的は別のところにあることがほのめかされています。彼女が最後に見せた、これまでの幼い少女然としたあどけなさとは隔絶した、不安を煽るような嘲笑の色を濃くした笑みの意味が気になりますね。

終盤の急転直下の展開はどうかなあという気もしますが、それまでのベタベタなラブコメ展開は楽しかったです。次巻はシリアス目にお話が進みそうですが、それはそれで楽しみ。もはやデレまくりなキョウと恭也がさらに距離を縮めるには、いささか重い試練となりそうですが、次巻も期待できそうです。

hReview by ゆーいち , 2008/12/02

鏡原れぼりゅーしょん

stars 待ってるだけなんて、俺はイヤなんだ……! 頑張って、自分から行動しないと……!

ある日唐突に心と体が入れ替わった。俺・来摩久司とひそかに憧れる同級生の鏡原奈結、そして転校生の津吹あいらの間で。俺は鏡原さんの身体に、鏡原さんは津吹さんの身体に、そして津吹さんは俺の身体に。唐突すぎる意味不明の現象は、しかし、鏡原家に代々受け継がれている「呪い」だとか……? その呪いを解くためにしなければいけないことって……キス!?

バカだ!!

「八津当輪の呪い」だとか「人魂鳴動の蝕」だとか、なんだか大仰な言葉を引っ張り出してきて語られた入れ替わりの原因がなんともトホホな感じで肩の力が抜けますね。

そんな感じで、呪いなんて言葉に暗いイメージを抱くどころか、どいつもこいつも前向きにバカやってたりするんで、ネガティブな印象はほとんどなかったかな。あ、でも、津吹けの父と祖父はうざい、てか彼らのせいで事態がさらにややこしくなったような。

主人公が貧乳派だったり、そのくせ、憧れの鏡原さんの身体(注:巨乳)に入ったせいで宗旨替えをしそうになったりと、久司の性格がおバカでよいですね。女の子の身体に入ってしまったおかげで起きてしまうあれやこれやのドキドキなイベントもお約束を抑えつつ、お色気も交えて良い感じ、もう、そういうところを楽しめと言わんばかりの展開ですね。

そして、唐突に起きた事件は唐突に解決し、万事めでたしめでたしかと思っていたら、なんかトラブルはまだまだ続きそうですよ? これ、続編予定があるんだろうか? まぁ、次が出るなら、やや放置気味だった、津吹さん方面のお話とか*1、巻き込まれてしまった幼なじみな璃野も加わっての四角関係とか、展開のしようはいくらでもあるので、バカっぽく楽しませてもらえれば嬉しいかと。まぁ、呪いの原因はどうでもいいので、さくっと締めてやれば解決するんでは……?

hReview by ゆーいち , 2008/11/01

  1. 鏡原さんとの百合ルートでも可 []

さくらファミリア! 2

stars エリちゃんとわたしに分かれたまま、祐くんに逢えて、よかった。また最初から、こんどは二倍好きになっていけるもんね。

天使やら悪魔やら神の子やらと同居生活を続ける祐太の元に、新たな同居人がクール宅急便で送りつけられた。エリやレマそっくりの顔をした小さなそれは《聖霊》で彼女たちと合体してついに《御子》降臨!? それだけでも大問題なのに、新たな使徒も襲来し、砂漠谷姉妹を狙っているとか、もう、いったいどうしろと!

エリ、かわいいよ、エリ。

あらすじ通りの光速 LOVE 寄せ、そして、前巻に引き続いて文字通りの神をも恐れぬ独自解釈、メタ展開と好き勝手絶頂のシリーズ第2巻。面白いですよ?

序盤でいきなり御子が降臨したと思ったらあまりのドSっぷりに吹いたし、教皇さまはろくでなしの変態だしと、相変わらず一迅社の正気を疑うような内容ですが、ラブコメしてて大変よろしいです。

今回はエリのターンだったみたいですが、次巻はレマのターンになります? エリはようやく自分のはじめて……を祐太に捧げられて想いを遂げた感じですが、レマの方がやや報われてない気もするので、次こそは彼女にも見せ場を、そして濡れ場を!(えー)

それはともかく、今回の引きはずるいなあ、その後の断章も切なさ倍増だし。おちゃらけで、えろえろで、ぐーたらな感じのしたガブリエルさんの決断と、彼女の今後がとても気になってしかたがない! でも、この世界の神さまは、あんな感じだから、きっと思いもよらぬ展開で救いがあるはず、あるですよね? 続きに期待です。

hReview by ゆーいち , 2008/10/26

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